1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、今季レッドブルのドライバーを務めているピエール・ガスリーは今シーズン中にもそのシートを失うことになるだろうと考えている。
昨年トロロッソ・ホンダで初めてF1フルシーズンを戦ったレッドブルの育成ドライバーであるガスリーは、ダニエル・リカルドがルノーへと移籍したことからその後任として今季はレッドブルに昇格。
だが、今季ここまでの2レースではレッドブル・ホンダ2019年型F1マシンになじめず、予選では一度もQ3に進めていない。
第2戦バーレーンGP決勝で8位に入賞して今季初ポイントを獲得したとは言え、同じクルマに乗るチームメートのマックス・フェルスタッペンが開幕戦3位、第2戦4位という成績を残しているだけに、ガスリーのパフォーマンスが見劣りしてしまうのは確かだろう。
ガスリーもバーレーンGPの後で、「僕はクルマからいい感触を得られていないんだ」と認め、次のように付け加えていた。
「昨年のトロロッソよりも苦労している。あのクルマの方が僕のドライビングには合っていたよ。現時点では僕はまだ乗客みたいな感じなんだ」
レッドブルのドライバー育成責任者としても知られるモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコは、ガスリーがバルセロナで行われたプレシーズンテストで2回のクラッシュを演じ、そのためにチームが予定していたプログラムに大きな影響が及んだことを公然と非難していた。
もしガスリーがこれからのレースでも同じように苦しむようであれば、マルコがガスリーに早めに見切りを付けることになる可能性もありそうだ。
事実、少し前からレッドブルでは今季トロロッソに復帰したダニール・クビアトとガスリーを近いうちに入れ替えるのではないかとのうわさもささやかれている。
ビルヌーブもそうなる可能性が高いと考えているようだ。
「もしガスリーがこれからもこういう感じなら、トロロッソに戻されても驚きではないね」
「過去にも、多くの若いドライバーたちが小さなチームからより強いチームに移ったときに苦しんだものさ。みんなはそれを過小評価しているんだ」
テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語ったビルヌーブは次のように付け加えた。
「今年は、ガスリーのマルコに対する運はあまりよくなさそうだ。僕たちは、彼が5分おきに考えを変えることができるのを知っているしね」