長期にわたってフェラーリのテストドライバーを務めているマルク・ジェネが、マッティア・ビノットがチーム代表となったことによりチーム内の雰囲気が変わってきたと語った。
かつてミナルディとウィリアムズで活躍した元F1ドライバーのジェネは、2005年からフェラーリのテストドライバーを務めている。
■フェラーリ内のプレッシャーが以前より小さくなった
今年の3月に45歳となったジェネは最近のフェラーリについてオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』に次のように語った。
「フェラーリにはプレッシャーがつきものなんだ」
「だけど、以前よりもそのプレッシャーが小さくなったと感じられるようになったよ」
■技術畑出身のビノットがうまく機能
しかし、プレシーズンテストでは好調をアピールしていたフェラーリだが、開幕戦オーストラリアGPでは表彰台にすら上ることができず、第2戦バーレーンGPでもマシントラブルによってシャルル・ルクレールが初優勝を逃すという結果に終わっている。
普通に考えれば、そうした状況の下ではさらにチーム内でのプレッシャーが高まりそうだ。
しかしジェネは、前代表のマウリツィオ・アリバベーネと比べると技術トップも兼任するビノットの姿勢はかなり違っており、それがチームにいい影響を及ぼしているのだと考えている。
ジェネは開幕戦の状況から大きく改善することに成功したバーレーンGPに言及しながら次のように語った。
「うまくいかなかった理由を突き止めるために徹底的な分析が行われ、調整が施された。そして今のクルマはバルセロナでのテストのときと同じレベルに戻っているよ」
イタリア出身のレーシングドライバーであり、現在はテレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』で解説者を務めるダビデ・バルセッキもそのジェネと同じ印象を受けているようだ。
■チームから政治を取り除いたビノット
バルセッキは、アリバベーネは「厳しく、ときには攻撃的」ですらあったが、ビノットは「もっと柔軟だ」と語り、次のように付け加えている。
「彼(ビノット)はチームから政治的なものすべてを取り去ったよ」
■ルクレール起用も大成功
バルセッキはさらに、そうした環境がルクレールをさらに強くしていくだろうと考えている。
「彼は今年のタイトル争いに加わってくるよ。間違いないね。彼はすでに、少なくともスピードに関しては、ベッテルと同じレベルにまで来ている」
「そして、彼はフェラーリでのプレッシャーにも対応できているよ」
ジェネも、フェラーリがキミ・ライコネン(現アルファロメオ)を放出して21歳の若いルクレールを起用したのは「正しい決断だった」としている。