ロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンが、今年2年落ちのメルセデスF1マシンを使って独自のテストプログラムを展開することになると報じられている。
2017年にはヨーロッパF3、2018年にはGP3にエントリーしていたマゼピンだが、2016年から昨年までフォース・インディアのテストドライバーを務めていたことでも知られている。
現在19歳のマゼピンの父親はロシアでウラルカリという化学メーカーを経営する大富豪として知られており、昨年はフォース・インディアの買収に動いたものの、最終的にはローレンス・ストロール率いる投資家集団に敗れてしまっていた。
そして、このほど『Speedweek(スピードウィーク)』が報じたところによれば、マゼピンは今年メルセデスと組んで独自のプライベートテストプログラムを展開することになるという。
フォース・インディアを買収し、今ではレーシングポイントと呼ばれるチームの新オーナーとなったローレンス・ストロールは、息子のランス・ストロールが所属していたウィリアムズとともに息子に似たようなプライベートテストの機会を与えていたことがよく知られている。
『Speedweek(スピードウィーク)』によれば、マゼピンはF2のレースの合間をぬって、メルセデスの2017年仕様F1マシンによるテストをトータル12日間実施することになるという。
マゼピンはメルセデスの育成ドライバーではない。だが、今季ウィリアムズからF1デビューを飾るジョージ・ラッセルや、昨年までフォース・インディアで走っていた同じくメルセデス所属ドライバーのエステバン・オコンらがマゼピンのテストに関わり、サポートをすることになっているという。
マゼピンが、ストロール同様に父親からの巨額の支援によってこうしたチャンスを得ることになったのは間違いないだろう。
常々、資金を持ち込んでF1シートを得た「ペイドライバー」だと言われてきたランス・ストロールは、今回のマゼピンのニュースについて次のように語っている。
「誰だって支援を必要としている。たとえそれが家族だろうがスポンサーだろうがね」
「だけど、その後は自分の力が頼りなんだ。どれだけ大きな支援を受けたとしても、金で勝利は買えないからね」
今季はレーシングポイントと名を変えた旧フォース・インディアで走ることになるストロールは次のように付け加えた。
「それに、しばしば勝利できなければ、F1に行くには十分ではないよ」
ストロールは、2014年にイタリアF4、2015年にはニュージーランドのトヨタレーシングシリーズ、2016年にはヨーロッパF3でチャンピオンとなって2017年にウィリアムズでF1デビューを飾ったという経歴を持っている。