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【画像:ラリー】トヨタ育成の勝田、第1戦ラリー・モンテカルロを完走

2019年01月29日(火)23:00 pm

TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに参加中の勝田貴元が、1月24日から27日にかけてモナコおよびフランスで開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロに、コ・ドライバーのダニエル・バリットと共に初参戦し、R5車両によるRC2クラス6位、総合13位で完走した。

■勝田の今シーズン予定

今シーズン、勝田はWRCイベント12戦と、フィンランド国内選手権2戦の、計14戦への出場を予定している。そのうちWRCイベントに関しては昨年に続きR5カーでの参戦となり、ラリー・モンテカルロはその初戦となった。

長い伝統を誇るラリー・モンテカルロは基本的にはターマック(舗装路)ラリーですが、山岳地帯の標高が高いエリアでは雪道や凍結路も走行することが多く、路面コンディションが変わりやすい難しいラリーとして知られている。

また、タイヤに関しても雪道用や舗装路用など他のラリーよりも多くの種類が用意され、正しいタイヤ選択も非常に重要となる。ラリー・モンテカルロは他のラリー以上に経験が重要だといわれている。そのため、今回が初出場となる勝田はWRC 2へのエントリーはせず、着実に経験を積むことを最優先して臨んだ。

■ラリー・モンテカルロ

ラリーは24日(木)の夜、フランス南部のギャップで開幕し、その後完全に日が暮れた山岳地帯でデイ1として2本の夜間SSが行なわれた。

25日(金)のデイ2はフランスの山岳地帯で6本のSSを、26日(土)のデイ3は4本のSSを走行したが、いずれもドライなターマックステージの途中で、雪や凍結路面が点在する非常に難しい路面コンディションだった。

最終日となった27日(日)のデイ4は南に下り、モナコ公国を基点に南フランスの山岳地帯で4本のSSを行なった。路面は全体的にドライとなり、前日までとは異なる路面コンディションでの戦いになった。

勝田は、2016年以来のコンビ結成となったコ・ドライバーのバリットと共に、複雑で難しいステージを堅実に走行。SSのスタート前にステージを走行し、最新の路面コンディションを選手に伝えるセーフティクルーとも、初めてWRCレベルで仕事をして多くの経験を積んだ。

勝田のセーフティクルーは、今シーズン彼のインストラクターを務めるヤルッコ・ミエッティネンと、WRCで豊富な経験があるミッコ・マルックラが担当しました。勝田は彼らセーフティクルーから伝えられた貴重な情報をペースノートに反映し、大きなミスをしないように高い集中力を保ち続けて走行。途中で2回スピンをしましたがクルマにダメージはなく、その後も良いペースを保って走り続けました。勝田は、経験豊かなベテラン選手でも完走が難しいとされるラリー・モンテカルロで、設定された全てのSSを走り切り、初出場ながらRC2クラス6位で完走を果たしました。

■勝田貴元

「ラリー・モンテカルロは以前観客として観戦したことがありましたが、選手としての出場は初めてだったのでとても難しく感じました。しかし、最後まで走り切り多くのことを学ぶことができました。今回はそれが自分にとってのテーマでしたので、満足しています。

このラリーでは自信と、良いフィーリングと、経験を得ることを目標に置き、速さについてはあまり気にしていませんでした。そして、今回きちんと目標を達成できたので、次回はもっと楽に走れるのではないかと期待しています。豊富な経験を活かして私を支えてくれたダニエル、ヤルッコ、ミッコに心から感謝します。

土曜日には非常に滑りやすい路面で2回スピンしてしまいましたが、低速だったので特に問題ありませんでした。タイヤ選択もこのラリーでは難しい要素のひとつで、正解を得るのは簡単ではありませんが、幸運にも良いアドバイスを受けてどんどんフィーリングが良くなって行きました。

とにかくラリー・モンテカルロは非常に特殊な1戦で、他にこのようなイベントは存在しないだろうと思いました。」

■ヤルッコ・ミエッティネン(インストラクター)

「ラリー・モンテカルロで素晴らしい結果を残した貴元とダニエルに、おめでとうと言いたいです。初出場のモンテカルロで、貴元はチームが立てた計画に従いきちんと走りました。このラリーでは優勝を考える前に、まずは注意深く走ることを学ばなければなりません。いくつかのステージで貴元はもっと速く走れたはずですが、彼は将来のためにできる限り多くの経験を積むことを望んでいましたが、それは正しいと思います。2019年のシーズンを良い形でスタートできたので、この流れを次のラリー・スウェーデンにも繋げたいと思います。」

■トミ・マキネン(プログラム監修)

「初出場のラリー・モンテカルロで、貴元は本当に良くやりました。大きな問題なくこのような難しいイベントを走り終えたことは、彼の自信と経験値を高めたはずです。貴元が成し遂げたように、全てのステージを走り切ると、本当に多くを学ぶことができるのです。次戦のラリー・スウェーデンは貴元にとってより馴染みのあるイベントですが、今週末の経験が、スウェーデンでもきっと役にたつと思います。」

■次回のイベント情報

勝田の次戦は、2月14日から17日にかけて開催されるWRC第2戦ラリー・スウェーデン。フルスノーイベントであるスウェーデンは、昨年勝田が日本人として初めてWRC 2優勝を遂げた相性の良いラリーだ。道路全体が雪や氷に覆われた森林地帯のステージは非常に高速で、WRCの中でも3本の指に入るハイスピードラリーとなっている。伝統的に降雪地帯で育った北欧系のドライバーが速く、今回も多くの強豪選手が出場を予定している。

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