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実質的“Bチーム”確保を視野に入れるメルセデス

2018年05月06日(日)11:43 am

メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、現在PU(パワーユニット)を供給している顧客チームとより強い協力関係を築くことに前向きな姿勢を示した。

ヴォルフの頭の中には、現在のフェラーリとハースのような関係がイメージされているようだ。

■成果が見え始めたフェラーリとハースのコラボ

2016年にF1参戦を開始したアメリカンチームのハースだが、当初からフェラーリと技術提携契約を結んでおり、PUはもとよりほかにも多くのパーツをフェラーリから仕入れている。

そのハースが3年目の今年大きな飛躍を遂げたのはフェラーリとの協力関係が実を結び始めたものだと考えられている。

さらに、今季メルセデスをしのぐほどのパフォーマンスを見せているフェラーリだが、こちらも事実状の“Bチーム”だとも言われるハースからフィードバックされた情報が自分たちのパフォーマンス向上に大いに役立っているのではないかと見られている。

■メルセデスとの関係強化を目指すストロールの父

最近、ランス・ストロール(ウィリアムズ)の父親であるローレンス・ストロールが、ウィリアムズとメルセデスの関係をさらに密接なものとするための話し合いを行ったことを認めたと報じられている。

現在メルセデスからPU供給を受けているウィリアムズだが、財政的に厳しい状況に置かれていることもあり、現時点での獲得ポイントはストロールがアゼルバイジャンGPで獲得した4ポイントだけとなっており、ランキング最下位に位置してしまっている。

こうした状況を見かねたストロールの父親がメルセデスとの関係強化を提案しているということのようだ。

伝えられるところによれば、ウィリアムズ首脳陣は自分たちの独立性がそれによって損なわれる恐れがあるとしてその考えには抵抗を示しているという。

■顧客チームとの関係強化に前向きなメルセデス

だが、ヴォルフは、今後についてはフェラーリとハースのような形でメルセデスもどこかのチームとより深い関係を築くことは可能だろうと考えている。もちろん、メルセデスにとっての選択肢は現在PUを供給しているウィリアムズもしくはフォース・インディアということになる。

ヴォルフはブラジルの『Globo(グローボ)』に次のように語った。

「我々はフェラーリとハースのシステムが両者にとってうまく機能していることを目にしてきた」

「それはフェラーリにとっても有益だし、ハースにとってもいいことだ。相乗効果によってうまく機能させられることがたくさんあるんだ」

「ここまでのところあのパートナーシップはうまくいっているし、もちろん我々もその方向性を考えているよ。ウィリアムズあるいはフォース・インディアとね」

「だが、現時点では我々は厳しいタイトル争いの真っただ中にいる。だから我々はそちらを優先する必要がある」

■コラボレーションは長期的プロジェクト

ヴォルフは、2019年シーズンからそうしたコラボレーションを開始することは可能だろうが、その成果が現れるまでにはもっと時間が必要だろうと示唆している。

「2019年に何かを行うことはできる。我々にはそれだけの能力があるからね。問題はもっと詳細な部分だ。ただ生産を増やせばいいという問題ではないし、重要なのはあらゆることの妨げにならない方法で行うことだ」

そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「長期的なプロジェクトになるだろうし、2019年にすぐにその影響が生じるというようなものではないよ」

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