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2021年以降のF1運営基本方針に賛否両論

2018年04月10日(火)17:07 pm

今季のF1第2戦が行われた先週末のバーレーンにおいてF1オーナーのリバティ・メディアが2021年から導入する新たなF1ルールやバジェットキャップと呼ばれるチームコスト制限策などに関する基本方針を発表した。

今回リバティ・メディアがF1チームに提示したビジョンは、昨年10月に示していた案を軸にF1改革を進める方向性をさらに明確にしたものとなっている。

■現時点ではノーコメントのフェラーリ

フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは昨年リバティ・メディアが発表した一次案に明確に反対の意向を示し、もしリバティ・メディアがその案を変更しなければフェラーリは2020年限りでF1を撤退することになるだろうと警告していた。

今回、リバティ・メディアはフェラーリなどの名門チームに支払われる特別ボーナスについては一定の理解を示したものの、エンジン案や予算問題などに関しては基本的に昨年10月に提示したビジョンをベースとするものとなっている。つまり、今回のリバティ・メディアの姿勢を受けてフェラーリがさらに反発を強める可能性もありそうだ。

だが、先週の金曜日(6日)にバーレーンで行われた会議にはマルキオンネは出席しておらず、フェラーリの広報担当者も今回のリバティ・メディアによる提案に関してはチームからコメントすることはないと語ったのみだった。

■リバティが提示した予算でF1をやるのは不可能?

一方、リバティ・メディアが導入を検討しているF1チームの予算制限に関してはメルセデスがあらためて反対の意思表示をしている。うわさされるところによれば、リバティ・メディアはF1チームの年間予算上限を1億5千万ドル(約160億円)に制限することを考えているようだとされている。

メルセデスを率いるモータースポーツ担当エグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフはこの額ではF1活動は「実行不可能」だと語るとともに、メルセデスF1チームの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも次のように語っている。

「これでは大勢の仕事を奪うことになるし、そんなことをこれほど短期間で実施するわけにはいかないよ」

■ウィリアムズは全面的に賛成

だが、近年慢性的な資金不足に苦しむ名門プライベートF1チームのウィリアムズはリバティ・メディアの提案を歓迎している。

「すぐに破たんするような状況にあるとまでは言いませんが、今日のF1の仕組みにおいてはウィリアムズが中長期的に生き残っていけるという見通しはあまりたちません」

そう語ったチーム副代表のクレア・ウィリアムズは次のように付け加えた。

「彼ら(リバティ・メディア)が示した収益分配やコスト制限に関するすべての案はまさに私たちが2021年以降に導入して欲しいと望んでいるものです」

■これからが本当の話し合いだとロス・ブラウン

しかし、リバティ・メディアの指名を受けて昨年からF1モータースポーツ責任者というポジションについているロス・ブラウンは、先週示された案はすでに“既成事実”となったわけではなく、それをベースとしてこれから話し合いを進めていく材料にしか過ぎないと次のように主張している。

「チームたちは、今はその案を整理しておくことが必要だ。そしてその後きちんとした議論を始めることになる」

■リバティ案が実現できるかどうかは不明だとレッドブル

リバティ・メディア案への賛成派チームのひとつであるレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、残された時間はもうあまりないし、リバティ・メディアがその案を押し通すことができるかどうかは分からないと次のように語った。

「かなり大がかりなものだ」

「大きな懸案事項がたくさんあるんだ。エンジン問題、分配金問題、そして予算制限もね。だが、重要なことはどうやってそれを達成するのかということだよ」

今週末にはバーレーンから2週連続開催となるF1第3戦中国GP(15日決勝)が行われるが、その翌週の火曜日(17日)に次の会議が予定されている。そして、その会議にはフェラーリ会長のマルキオンネも参加することになると考えられている。

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