ホンダは、2021年以降に導入される新F1エンジンルールに関して、F1オーナーであるリバティ・メディアと交渉する「余地」はまだあると考えているようだ。
10月末にリバティ・メディアがまとめた2021年以降のF1エンジンルール案が提示されたが、現在F1にエンジンを供給している4社のうち、メルセデス、フェラーリ、そしてルノーはいずれもその案に対する不満を明らかにしている。しかし、ホンダは現時点ではまだ何も具体的なコメントは行っていない。
2015年にマクラーレンと組んでエンジンサプライヤーとしてF1復活を果たしたホンダだが、そのマクラーレンとのプロジェクトが失敗に終わったこともあって、現時点では2018年からスタートするトロロッソとの新プロジェクトに集中している状態だ。
■2018年にはパフォーマンスをもっと引き上げる
ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介は、2017年にホンダPU(パワーユニット)が不振を極めることになったのはそのアプローチの仕方に問題があったのだと次のように語った。
「昨年から今年に向かうにあたり、我々はエンジンのコンセプトを完全に変えてしまい、少しばかりやり過ぎてしまいました」
「我々がこのコンセプトを来年も継承することにしたのはそれが理由です。それにより、信頼性に関してはかなり自信を持っています」
「これから、同じコンセプトのエンジンからもっとパフォーマンスを絞り出していく必要があります。現在はそれに取り組んでいるところです」
■FIAの判断を尊重するが改善の余地はある
そう語った長谷川は、現時点ではホンダとしてリバティ・メディアが提示した2021年以降のF1エンジン案について何も意見を述べていないことについて次のように続けた。
「我々はFIA(国際自動車連盟)との話し合いを始めたばかりですし、公然とイエスあるいはノーと言うのはいい考えだとは思えません」
「しかし、もちろん我々はFIAの判断を尊重しています。彼らはF1にいい競争を生み出そうとしているわけですからね」
「我々も、いくらか修正する余地はあると思っています。ですから、我々としてもいい解決策を見つけようとしているところです」
そう述べた長谷川は次のように付け加えた。
「コスト削減が重要であることは間違いありませんし、新たなメーカーが参入することも歓迎です。ですから、そうした観点のもとで今後も話し合いを続けていきたいと思っています」