レッドブル・エアレース世界選手権2017で悲願のシリーズチャンピオンに輝いた室屋義秀の記者会見に“こっそり”出席していたというインディ500優勝者の佐藤琢磨が、記者会見で“人生初質問”を経験した。
●【TV】NHK BS1、室屋が年間王者に輝いた「エアレース最終戦inインディアナポリス速報版」放送
いつもは記者会見で記者から質問を受ける側の佐藤琢磨が質問したのは、2011年に大震災と津波の影響を受けた『福島』についてだ。室屋が生活し、トレーニングをしているホームタウンでもある。佐藤琢磨自身も震災後からサポートを続けている。
佐藤琢磨は室屋に次のような質問をした。
「2011年に大震災と津波の影響を受けた『福島』にお住まいですね。未だに10万3千人が仮設住宅に住んでいます。僕が5月にインディ500で優勝した時も日本の応援が大きな力になりました。被災した福島の方も応援していますが、どう感じていますか?」
それに対して室屋は次のように答えている。
「はい、私は原子力発電所が爆発事故を起こし津波の被害にあった福島に住んでいます。福島は5年近くかけて復興しており、次のステージ、以前よりも明るい未来を目指して進んでいます。
福島には飛行場もありトレーニングできる場所をサポートいただいています。そのおかげでチャンピオンになれました。
私はアンバサダーのような立場でみなさんの力になれていないかもしれませんが、みなさんには助けられています。私ができることはメディアに出ることで今の福島と日本を伝えたいと思っていますし、福島と日本に来てもらいたいと思っています」。
同じ年にインディアナポリスで“世界一”に輝いた日本人のヒーロー2人が、今の日本を世界に伝え、日本に元気を与えている。世界一を競う厳しいモータースポーツの世界でこれまで日本人選手は苦戦してきたが、今年は2人も優勝するという快挙を彼らは成し遂げた。日本人選手が新たなステージへと進んだ瞬間だった。