カルロス・サインツが異例とも言えるシーズン内移籍により、来週末にテキサス州オースティンで開催されるF1アメリカGP以降はルノーから出走することになっている。だがF1関係者の中には、あえて今シーズン途中でチーム移籍するというサインツの判断が正しいものだったのかどうかは分からないと考えている者もいるようだ。
■アメリカGPからルノーに移籍するサインツ
レッドブル所属ドライバーであり、今季ジュニアチームのトロロッソで3年目のF1シーズンを迎えていた23歳のサインツだが、2018年からルノーにレンタル移籍されることがすでに9月中旬に発表されていた。
当初、今年の第15戦マレーシアGPから不振のジョリオン・パーマーに代わってルノーのドライバーを務めることになるのではないかとのうわさも流れていた。だが、結局第17戦のアメリカGP(22日決勝)からルノーF1マシンのステアリングを握ることとなり、今季の残り4戦をルノーで戦うことが正式に発表された。
■サインツが速いのは確かだとヒュルケンベルグ
シーズン途中で新たなチームメートを迎えることになったルノーのニコ・ヒュルケンベルグは、母国ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「僕はパドックでの彼しか知らないけれど、野心的なドライバーだよね」
「まだ若くて荒っぽいところもあるけれど、速いのは確かだよ」
だが、ヒュルケンベルグは誰がチームメートになろうと、自分の仕事が変わるわけではないと次のように続けた。
「問題ないよ」
「僕は自分の仕事を続けるだけだ」
そう語ったヒュルケンベルグだが、サインツがルノーのチームやF1マシンに慣れるには少し時間もかかるだろうと考えている。
「どうなるか予想するのは難しいけれど、当然ながら慣れるためには一定の期間が必要となるだろうね。どうなるか様子を見て行こう」
■慌ててルノーへ行く必要はあった?
だが、サインツと同じスペイン出身の元F1ドライバーであるロベルト・メリーは、シーズン中途でチームを変わることが本当にサインツにとっていいことなのかどうかは分からないと『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「正直に言って、僕に言わせればシーズンの途中でルノーに行くのは間違いじゃないかと思うよ」
「僕だったら今季はトロロッソで終えるだろうね」
2015年にマノー・マルシャのドライバーを務めていたメリーは、次のように付け加えた。
「彼は今年はいい仕事をしていたし、来年にはテストを終えてから新たなシーズンを迎えるようにすれば、ニコ(ヒュルケンベルグ)と同じ条件でスタートすることができたはずだからね」