元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリが、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のF1タイトル獲得のチャンスはまだ完全に失われたわけではないと語った。
【動画】スタート直後の大波乱!フェラーリ同士打ち/F1シンガポールGP決勝レース
■すでにあきらめムードの伊メディア
先週末に行われたF1シンガポールGP決勝で痛恨のリタイアを喫したことにより、ベッテルとこのレースで今季7勝目をあげたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とのポイント差は一気に28ポイントに開いてしまった。
残り6レースとなった時点での28ポイント差は、ハミルトンの強さを考えれば致命的とも言える差だ。現にフェラーリの地元イタリアのメディアはシンガポールGP決勝で起きたクラッシュにより、事実上今シーズンのタイトル争いにも決着がついてしまったとの論評を行っている。
■あれはベッテルのミスだったとトゥルーリ
イタリア出身のトゥルーリも、あのクラッシュはベッテルのミスによるものだったと『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「もし本当に誰か1人を非難したいと望むのであれば、ベッテルはあそこでもっとうまく動けていたはずだと言えるだろうね」
「だが、タイトル争いが決着するのは最後だ。今ではない。まだ6レースが残されているし、現在は1レースで25ポイント獲得することができる。だから何が起こるか分からないよ」
■まだベッテル復活のチャンスも
かつてルノーやトヨタのドライバーとして活躍した経歴を持つ43歳のトゥルーリは、今後ベッテルに運が向く可能性だって十分にあると次のように続けた。
「実際、タイトル争いは非常にバランスが取れているものなんだ。今日の時点で28ポイントが大きな差であることは間違いない。だが、メルセデスAMGが一度でも失敗すれば、ベッテルがまた復活してくるよ」
「フェラーリはあらゆる期待が可能なチームだ。我々が予想もしていなかったにもかかわらず、彼らが強さを発揮してみせたこともある。だから、まだ何も失われてはいないよ」
そう語った43歳のトゥルーリは、次のように締めくくっている。
「物語が完結するのは、最後のレースでチェッカーフラッグが振られたときだよ」