NEXT...F1開催スケジュール

FIA会長「理想的にはあと2つF1チームを増やしたい」

2017年09月08日(金)15:48 pm

昨年は全11チームの合計22名のドライバーによって争われていたF1だが、マノーが経営破たんしたことで今季は10チーム20名のドライバーによる戦いとなっている。

最近、新たなエンジンレギュレーションが導入される2021年に向けてポルシェがF1復帰に前向きな姿勢を見せているとの報道が行われたが、ポルシェが検討しているのはワークスチームとしての参戦ではなく、あくまでもエンジンサプライヤーとしてだと伝えられている。

一方で、中国やインドネシアのグループが新たなF1チーム結成を目指しているようだとのうわさもささやかれている。もしこれが実現すれば、F1チーム数がまた増えることになる。

■複数のグループが新規F1参入を検討

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、いくつかのグループがF1に参戦したいとの意思表示を行ったことを認めている。

だが、トッドはそれらのチームが本当にF1参入を果たすことができるかということについては懐疑的なようだ。

「大きな自動車メーカーが参入したいというのなら問題はない。独立系のチームの場合は、我々としても慎重な検討が必要になるだろう」

■実現可能かどうかはまだ不透明

そう語ったトッドは、現在F1参戦に向けて問い合わせをしてきているのは小さな独立系チームであることを認め、次のように付け加えた。

「確かに問い合わせは来ている。だが、本当に可能性があると考えられるものはひとつもない」

トッドはさらに、現行ルールで規定されている12チームにまで増やしていきたいという考えはあるものの、そのためには2016年に新規F1参入を果たしたハースF1のような取り組み方が必要だと次のように続けた。

「今現在は10チームによるいい選手権が行われている。だが、理想的には現在の合意によって認められる12チームにまで増やしたいところだ」

「仮に、ジーン・ハース(ハースF1/チームオーナー)が行ったのと同じような真剣な申請が行われれば、我々としてもその時点で新たな入札機会を作ることになるだろう」

ハースは独立系チームながら、ここ数年のうちに姿を消したケータハムやマノーとは違い、最初からフェラーリとの間に技術提携契約を結び、実質的にはフェラーリの「Bチーム」だとも言われるようなやり方でF1への挑戦を開始している。

■独立系チームには厳しい現在のF1環境

実際のところ、大規模な予算を持つ世界的自動車メーカーであれば、F1参戦に伴う投資に耐えることも可能だろうが、現実的には独立系のプライベートF1チームは常に厳しい資金繰りに追われる状態となっているのが事実だ。

そのひとつには現在のF1収益金分配システムの影響もあると言われている。最終的なコンストラクターズランキングの順位に応じて賞金が分配されている現在のシステムでは、上位チームと下位チームが受け取る賞金に雲泥の差があると言われており、多額の予算を投じて開発することができる大規模チームと、少額予算での開発しか許されない独立系チームとの差はやればやるほど広がっていくというスパイラルとなっている。

世界的自動車メーカーのワークスチーム同士の戦いもさることながら、独特な個性を持った独立系チームが増えることもファンに対するいいアピールとなると思われる。だが、そのためには現在の賞金分配制度や、一部の伝統チームを優遇する制度を見直す必要もありそうだ。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック