TOYOTA GAZOO Racingは、5号車が23時間55分まで手中に入れかけていた初勝利を、チェッカーフラッグへ1周を残し、まさかのトラブルで逸した。6号車が2位表彰台を獲得したものの、チームにとっては悔しい24時間レースの幕切れとなった。
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■5号車の結果:失格
TS050 HYBRID 5号車:(中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ)
23時間経過時点(中嶋一貴):1位 368周
最終結果:失格 384周
ピットストップ:28回
ファステストラップ: 3分22秒495
■6号車の結果:2位
TS050 HYBRID 6号車:(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)
23時間経過時点(サラザン):3位 364周
最終結果:2位 381周
ピットストップ:28回
ファステストラップ: 3分21秒445
■残り3時間までは1位と3位を走行
レースを通して首位を争った2台のTS050 HYBRIDは、残り3時間の時点で同一周回の1位と3位を走行。トヨタのル・マン24時間レース初勝利へ向けて順調にレースを戦っていた。
6号車は夜間の接触とスピンに起因する不具合を修復すべく正午過ぎにピットイン。10分弱を要したが、3位のポジションを守ってレースに復帰した。
■残り3周でポルシェは緊急ピットイン。安泰と思ったが・・・
これで優勝争いは5号車とポルシェ2号車の一騎打ちとなった。最後の3スティントを担当すべくステアリングを握った中嶋一貴が、2位のポルシェとの30秒の差を保ちながら周回を重ね、残り3周でポルシェ 2号車が緊急ピットイン。その結果、1分半へと差は広がり、5号車の初勝利は安泰かと思われたが・・・。
■残り5分でル・マンの魔物に襲われ、失格
しかし、チェッカーフラッグへ残り5分ほどで5号車がまさかのスローダウン。ファイナルラップへと向かう最後のストレート上でストップ。なんとか走行を再開した5号車だったが、規定の6分以内に最終周を走り切ることが出来ず、失格となった。
6号車は2位表彰台を獲得。26万人の大観衆の祝福を受けた。
TOYOTA GAZOO Racingは2位獲得とはいえ、24時間レース最後の5分で悲願のル・マン初優勝を逃しただけに、何とも悔しい結果となった。
■佐藤俊男 TOYOTA GAZOO Racingチーム代表
「昨年から今回のル・マン24時間レースに向けて必死に努力を重ねて来たチームをとても誇りに思います。また、トヨタ東富士研究所、ケルンのTMG関係者の方々には深く感謝を申し上げます」
「昨年の雪辱を果たすために皆が短時間で競争力のある新型シャシー、パワートレーンを開発して来たことには胸が熱くなりました。我々はチーム一丸となって今年もル・マン24時間レースに臨みました」
「今日の結果については言葉に表すことが出来ません。一言で言えば“無念”かもしれませんが、我々は勝利の固い決意の元に、更に強くなってここに戻って来ることを誓います」
順位
|
No.
|
ドライバー
|
チーム/車種
|
周
|
差
|
1
|
2
|
ロマン・デュマ ニール・ジャニ マルク・リーブ |
ポルシェ・チーム/ ポルシェ919ハイブリッド |
384
|
|
2
|
6
|
小林可夢偉 ステファン・サラザン マイク・コンウェイ |
TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
381
|
+3周
|
3
|
8
|
ルーカス・ディ・グラッシ ロイック・デュバル オリバー・ジャービス |
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アウディR18 |
372
|
+12周
|
4
|
7
|
マルセル・ファスラー アンドレ・ロッテラー ブノワ・トレルイエ |
アウディ・スポート・チーム・ヨースト/ アウディR18 |
367
|
+17周
|
13
|
1
|
ティモ・ベルンハルト マーク・ウェバー ブレンダン・ハートレー |
ポルシェ・チーム/ ポルシェ919ハイブリッド |
346
|
+38周
|
失格
|
5
|
中嶋一貴 アンソニー・デビッドソン セバスチャン・ブエミ |
TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ TS050 HYBRID |
384
|
|
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