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アラン・プロスト「F1パワーユニットは間違っていない」

2016年02月10日(水)5:31 am

元F1ドライバーのアラン・プロストが、現在のF1パワーユニットに対する批判に対して反論を行った。

現役時代にはマクラーレン・ホンダでチームメートのアイルトン・セナとしのぎを削ったことでも知られるプロストは、現在は母国フランスを代表する大手自動車会社ルノーのアンバサダーを務めている。

そのルノーは、2014年から導入されたV6パワーユニットの開発に出遅れ、メルセデスや、今ではフェラーリにも大きな差をつけられてしまっている。

そして、そのパワーユニットに関しては、ファンばかりでなくF1関係者の中にも批判的な意見を持つ者が少なくない。あまりにもシステムやそれを管理するルールが複雑過ぎることと、かつての自然吸気エンジンのような大音量が失われてしまったことなどがその理由となっている。

■パワーユニット導入はメーカーが望んだこと

しかし、プロストは、現在のF1エンジンが進もうとしているハイブリッド化という方向性は正しいものだとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。

「数年前を振り返ってみれば、どのメーカーも多かれ少なかれ同じエンジンを造っていた」

「だからこそ、彼らは言っていたんだ。『自動車市場に関係するもので我々の競争力を示すことができなければ、止めてしまうだろう』とね。彼らはどこも自分のほうがライバルたちよりも優れていることを証明したいと思っているんだ」

■メルセデスは勝利に値する

現在、フル電動フォーミュラカーによるレースシリーズであるフォーミュラEに、共同設立者としてチームを送り込んでいるプロストは、次のように続けた。

「今はメルセデスが強過ぎることに対する不満の声が大きい。だが、はっきり言えば、彼らがいい仕事をしたということなんだ。彼らは勝利に値するよ」

「F1では、ほかのものが優れていることを認めざるを得ないときだってあるものさ」

■問題は厳密過ぎる開発制限

だが、プロストも、現在のルールがあまりにも厳密に開発行為を制限していることに対しては批判的だ。それによってルノーやホンダが短期間に改善を果たすことが妨げられているからだ。

「かつては、もし問題があれば1週間ですべてを変更することもできたし、その1週後にはサーキットでテストを行うこともできていた。今はあまりにも多くのことが制限され過ぎているよ」

■課題はファンとメーカーの妥協点を見いだすこと

そう語ったプロストだが、単純に時計の針を反対に回すかのように、かつての自然吸気V8エンジンに戻すというようなことは間違いだと考えている。

「多くのファンがそれを望んでいることは知っているよ。だが、それは間違ったメッセージだと思うよ。F1は新しいテクノロジーの展示場であるべきだからね」

そう主張したプロストは、次のように付け加えた。

「恐らく、ファンが望んでいることとメーカーが必要としていることの妥協点を見いだすことは可能じゃないかと思うよ」

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