ジュール・ビアンキの父親が、息子の死に責任がある者たちにその償いを求めていく決意を固めたと語った。
当時マルシャに在籍していたビアンキは、鈴鹿サーキットで2014年に行われたF1日本GP決勝でコース脇の作業車に激突したが、この事故を招いた状況に関してはさまざまな見方があったのも事実だ。
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、その事故の調査を行った結果、黄旗が振動されている状況にもかかわらず、ビアンキがスピードを出し過ぎていたことが根本的な原因であったと結論づけていた。
その後、ビアンキ一家はこの件に対応すべく、弁護士を雇っていた。
事故後、こん睡状態が続いていたビアンキだったが、今年7月ついに帰らぬ人となった。
ビアンキの父フィリップは、フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語った。
「その結論は私にとってはショックだった。なぜなら、その調査を行った人間は、調査対象となった者たちだったわけだからね」
「それなのに利益相反がなかったと言えるだろうか? 裁判官が陪審員になれたりするものだろうか?」
「あの調査はひとつの見方に過ぎない。だが、本来行うべき質問や導き出すべき答えは異なるものだ」
「以前にも言ったことがあるが、もう一度言おう。もし責任のある者がいれば、彼らは支払わなくてはならない。いずれにしてもね。私ははっきりとそう主張するよ」
そう語ったフィリップは、次のように付け加えた。
「私はジュールを失ったし、彼は二度と帰ってこない。だから、私には彼の思い出や、我々が彼に対して抱くべき敬意以外に失うものはもう何もない。だから全力で彼のために戦うよ」