フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが、昨年まで所属していたフェルナンド・アロンソ(現マクラーレン・ホンダ)をばかにするような発言をしたことが報じられたが、これに対して2人の人物が反応を見せている。
マルキオンネは、アロンソの後任として2015年から赤いレーシングスーツを身に着けたセバスチャン・ベッテルを称賛しながら、次のように語っていた。
「彼(ベッテル)はたった1年で、5年も在籍していたアロンソよりも“フェラーリスタ”になったと言えるよ」
2014年には未勝利で終わっていたフェラーリだが、2015年は新加入のベッテルが3勝を記録。そのベッテルは、フェラーリが行ったクリスマスイベントではすべてイタリア語でスピーチを行ってみせたという。マルキオンネからすれば、ベッテルがアロンソよりも早く、うまくフェラーリの人間としてチームに溶け込んだということを言いたかったのかもしれない。
■アロンソには不運もあったと前会長
だが、2014年シーズン途中でマルキオンネにフェラーリ会長の座を追われたルカ・ディ・モンテゼモーロは、『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「もし我々が2010年にF1タイトルを取ることができていたら、アロンソだってもっとフェラーリスタになっていたはずだよ。あのときはわざわざ負けたようなものだったからね」
モンテゼモーロが言及した2010年には、アロンソがランキングトップで最終戦に臨んだものの、戦略ミスによってベッテルに逆転されてしまっていた。
「(アロンソは)3年間で2度も最終戦でタイトルを失ってしまっていたんだ。こういうことを理解することが必要だと思うね」とモンテゼモーロは付け加えた。
■マネジャーは大人の対応
そして、アロンソのマネジャーを務めるルイス・ガルシア・アバドは、マルキオンネの発言を受けて次のように語った。
「フェラーリが再び競争力を発揮し、強くなったことをマルキオンネのためにうれしく思っている。つまり、我々全員が満足しているということだ」
「20年後に、マラネロで誰よりも記憶に残っているのはフェルナンドだと思っている。フェラーリが何と言おうと、彼らはまだ我々の心に刻まれているよ」
「我々には今もマラネロに多くの友人たちがいるし、彼らは我々がフェラーリの活躍を望んでいることを知っている」
そう語ったアバドは、次のように付け加えた。
「クリスマスを迎えることでもあるし、論争などはしたくない。ロッサ(イタリアで赤=フェラーリの意)がよい休日を迎えられるよう祈るよ」