レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーとルノーの責任者シリル・アビテブールが、F1マレーシアGP(29日決勝)を前に、それぞれの将来について語った。
27日(金)にチーム関係者6人による恒例の記者会見に臨んだホーナーとアビテブールの席は隣同士だった。アビテブールがフランスのメディアに対し、レッドブルの天才デザイナー、エイドリアン・ニューイは「ウソをついている」と語ったあとだけに、隣に座るとは「勇気がある」とホーナーはジョークを飛ばした。
■ルノーの選択肢はトロロッソ買収か、F1撤退か?
開幕戦オーストラリアGPで「後退した」とレッドブルから批判を受けたことについて聞かれたアビテブールは、ルノー社内で「熱狂的にウケ」てはいないと答えた。
また、「われわれの評判にそれほど悪影響を与えるなら」、「F1からの撤退」も含めてさまざまな選択肢を検討しているとアビテブールは明かした。
「まず何より、われわれは恐ろしく離されているわけでも、そこまで最悪の状態なわけでもないと思う」とアビテブール。「トンネル出口の光が見えるところまで来ており、トンネルは一部の人が考えるほど長くはないと考えている」
選択肢の一つとしてうわさになっているのが、独自のチームを持つことだ。ルノーは、レッドブルの姉妹チームであるトロロッソを買収しようとしているとうわさされているが、アビテブールも可能性はあると認めた。
また、トロロッソのチーム代表フランツ・トストも、ルノーと買収に向けた話し合いが進んでいることを認めた。
「次のステップとして素晴らしい機会になると思う」とトストは前向きなコメント。
これを受けてホーナーは、「フランツはチームをシリルに売りたがっているみたいだね。そうなるとわれわれはエンジンが必要になるな」と言っている。
■レッドブルはエンジンサプライヤーを失い撤退?
トロロッソが買収されて「ルノー」となった場合、レッドブルはルノーのワークスチームとしての立場を失うことになる。
しかしホーナーは、レッドブルが独自のエンジン開発に乗り出そうとしているといううわさを否定した。
これに対しアビテブールは、「メルボルンでエンジンにレッドブルがたくさん入っていたことをクリスチャンは認めないんじゃないかな」とやり返している。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、現在のルールに抗議するためにレッドブルがF1から撤退することもあり得ると語っているが、ホーナーはそれを否定しつつも、撤退せざるを得ない状況に追い込まれる可能性はあると話した。
「エンジンサプライヤーが見つからない状況になる可能性もある。結果的にこのスポーツから追い出されるということもあり得る」
アビテブールは、ニューイが「ウソをついている」と話したことについては文脈を無視して伝えられたと話した。
「私が言ったこととは違う。そのことはもう忘れよう。この2週間での進歩に目を向けようじゃないか」とアビテブールは語っている。