元トロロッソのジャン-エリック・ベルニュが、2016年シーズンにキミ・ライコネンに代わってフェラーリのレースドライバーとなることを視野に入れていることを認めた。
もともとレッドブルのドライバー育成プログラムに所属していたベルニュは、そのジュニアチームであるトロロッソから2012年にF1デビューを飾り、2014年まで3年間F1に出走していた。だが、トロロッソでは2015年に大きな話題となった17歳のマックス・フェルスタッペン、そして20歳のカルロス・サインツJr.というラインアップでシーズンに臨むこととなり、ベルニュはそのシートを失っていた。
その後、ベルニュは開発担当ドライバーとしてフェラーリへ加入することが発表された。だが、フェラーリでは2015年の控えドライバーとしてすでに元ザウバーのエステバン・グティエレスと契約を結んでおり、ベルニュには少なくとも2015年にレースに出場できる可能性はなさそうだ。
■シミュレーター担当のほうがチームに貢献できる
ベルニュはイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「正直に言って、僕は控えドライバーでいるよりシミュレーター作業を行って、役か役立つことをするほうがいいんだ」
「今日では、サードドライバーはサーキットには行くけれど、やることは特にないんだ。チームの役に立てない状態であれば不満にもなるだろうし、自分の仕事のほうが重要な意味を持つものだと感じているよ」
トロロッソを離脱後、アメリカのアンドレッティ・オートスポーツからフォーミュラEのレースに2レース出走していたベルニュは、フェラーリでの新たな仕事が待つマラネロを今週初めて訪れることになっている。そのフェラーリのドライバーのうちライコネンについては、現在の契約は2015年までだとされており、今シーズン限りでフェラーリを離脱する可能性もあると言われている。
ベルニュは、レッドブルから見放されたことに関しては「まったく失望などしていない」と主張するとともに、2016年にはレースドライバーに昇格できるチャンスもあると次のように続けた。
「僕は全力を尽くしてきたから、後悔などまったくないよ。今はフェラーリにいるし、2016年に向けては大きなチャンスもある」
「今年、レースに出ることができないのであれば、ケータハムやマルシャのように常に最下位争いをするようなチームで走るよりも、そのほうがいいと思っている」
■ベッテルの加入が自分のフェラーリ移籍を後押しした
さらに、ベルニュはかつて同じレッドブルのドライバー育成プログラム出身者で、4年連続F1チャンピオンという実績を誇るセバスチャン・ベッテルがフェラーリに移籍したことも、自分がフェラーリでの仕事を確保する上で助けになったかもしれないと認めている。
「僕は、まだF3で走りながらレッドブルのシミュレーターを担当していたころから彼のことは知っている。僕は彼とはずっといい関係を築いてきていたし、キミともそうだよ」
そう語ったベルニュは、次のように付け加えた。
「確かに、彼(ベッテル)がフェラーリへ移籍したことが有利に働いただろうね。でも、ほかの人たちから僕が提案されていたことも知っているんだ。例えば、僕はマッシモ・リボラ(フェラーリ/スポーティングディレクター)ともかなり話をしていたからね」