F1統括団体FIA(国際自動車連盟)の予算制限策が暗礁に乗り上げている。
F1は2015年から予算制限を義務づける方向に動いていたが、FIA会長ジャン・トッドの提案は、F1の意思決定を行う「ストラテジー・グループ」に参加する6チームに拒否された。この裏には、F1最高責任者バーニー・エクレストンの働きかけがあったと見られている。
ストラテジー・グループの会議では、エクレストンが6票、6チームが各1票、トッドが6票を持っている。「計算すれば分かる」とトッドは落胆を隠していない。「コスト制限はもはや存在しない」
今後はスポーティング・レギュレーションの形で2015年のコスト削減を推し進めるとトッドは話している。一方、投票権すらない小規模チームは不満だ。
「とても強い特定のチームの力を強め、より裕福にしながら、残りのチームの投票権を奪って、我々に満足することを期待するほうがおかしい」とフォース・インディアの副チーム代表ボブ・ファーンリーが話したことを『Guardian(ガーディアン)』が伝えている。
ファーンリーは、エクレストンとトップチームが予算制限をつぶしたがった理由について、小規模チームが根負けして「カスタマーカー」を受け入れる道が開けるからだと話している。
イギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』のインタビューで、カスタマーカー制度について、トップの6チームが下位6チームにシャシーを売るとしたらどうかと聞かれたエクレストンは、「そうだな、それは見てみたいね」と答えている。
「うまくいくかどうかは、見てみるしかないが」とエクレストンは語っている。