メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが、F1において若手ドライバーによる勢力が台頭してきそうだという意見を一蹴(いっしゅう)した。
先週末開催された2014年のF1開幕戦オーストラリアGPによって、V6ターボエンジンによる新たなF1時代が幕開けを迎えた。
そのオーストラリアGP決勝がデビュー戦となったマクラーレンのケビン・マグヌッセンは、初レースでいきなり表彰台を獲得してみせ、マクラーレンの「新たなハミルトン」だと称賛されている。
また、同じく今季F1デビューを果たしたトロロッソのダニール・クビアトもデビュー戦での入賞を果たし、レッドブル育成ドライバーとして、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)のような未来が約束されるドライバーとなるかもしれないと印象づける活躍をみせた。
そして、引退したマーク・ウェバーの後任としてトロロッソからレッドブルへと昇格したダニエル・リカルドも、レース後に失格処分という憂き目にはあったものの、予選と決勝の両方で4年連続チャンピオンであるベッテルの成績を上回ってみせた。
こうしたことから、今年は技術的な面ばかりでなく、ドライバーに関しても「新たな時代」を迎えることになるのではないかと考え始めた者も多い。
だが、2008年のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、そうは考えていないようだ。
「まだ、ベッテルや僕、それにアロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)やキミ(ライコネン/フェラーリ)もいるよ」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「新たな時代なんかじゃないよ。ただ、若手による新たな波が起こったというだけさ」
ハミルトンはかつて、今年から再びマクラーレンの最高権威の座に復活したロン・デニスによって、将来のF1ドライバー候補として発掘され、育成されたドライバーだった。そして、そのデニスは、オーストラリアGPで華々しいデビューを飾ったマグヌッセンのことを将来のF1チャンピオンだと高く評価している。
デニスは、デンマーク出身のマグヌッセンについて次のように語った。
「彼は、F1タイトルを勝ち取るために求められるすべての要素を持っているよ」
ハミルトン自身はその意見には納得していないかもしれない。だがそれでも、自分自身が2007年の開幕戦でやってのけたのと同じようにデビューレースでいきなり表彰台を獲得した21歳のマグヌッセンに対し、次のような称賛の言葉を贈っている。
「ケビンは素晴らしい仕事をしたよ。彼の仕事ぶりには本当に感心させられた。よくやったね、ケビン」