F1第13戦シンガポールGP開幕前日の19日(木)、パドックの話題は相変わらず2014年に向けた移籍関連だった。
先日には、フェラーリがキミ・ライコネン(ロータス)の復帰を正式発表。発表前から大々的に報じられていたが、フェラーリとライコネンは以前、契約を1年早く解除していたこともあり、フェラーリの決断に驚いた関係者も多い。
来季は激しいラテン気質のフェルナンド・アロンソとフェラーリでコンビを組むライコネン。衝突は避けられないとの見方もあるが、本人はこれを真っ向から否定する。
フェリペ・マッサをチームに残すよう大っぴらにはたらきかけていたアロンソだが、19日(木)にはライコネンが2014年のチームメートになってくれてうれしいと次のようにコメントした。
「フェリペを交代させたほうがよいとの結論に達したチームは、僕の意見をきいてきた」とアロンソ。
「僕は、フリーエージェントの中ではキミが最良の選択という考えだった。彼を選んでくれてうれしいよ」
こうしたアロンソのことばを額面通りに受け止める者は、どれだけいるだろうか。もっとも、2009年末にアロンソがマクラーレンからフェラーリに移籍、マッサのチームメートとなったことも当初は誰が信じただろう。
というのも、その2年前、ニュルブルクリンクで開かれた2007年F1第10戦ヨーロッパGPで接触した両者は、その後はげしく口論しているのだ。しかしアロンソは19日(木)、マッサを「F1パドックでよき親友のひとり」と呼んではばからなかった。
さらに、F1王者経験者のライコネンが自身の地位を脅かす危険性も、アロンソは次のように否定している。「フェリペだって、2008年最終戦ブラジルGPのチェッカーを受けた瞬間は世界チャンピオンだったじゃないか」
だが、最終的にその年のタイトルを奪ったのはルイス・ハミルトン(当時マクラーレン)だった。ハミルトンもアロンソとはいろいろやり合った仲だ。
そんなハミルトンだが、意外にも2014年のフェラーリ内部戦争を否定している。それどころかハミルトンは、イギリスのテレビ局『Sky (スカイ)』にこんなことを話している。F1にいる多くから「僕とニコ(ロズベルグ)の組み合わせが恐らくF1最強といわれるけど、その称号は今やフェラーリのものだよ」