1年前、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はセバスチャン・ベッテル(レッドブル)と戦っているのではなく、エイドリアン・ニューイ(マシンデザイナー/レッドブル)と戦っているのだと話していた。
この発言には、ベッテルは自身の実力ではなくクルマの力で勝利しているのだという皮肉が含まれていたが、どうやらアロンソは考えを変えたようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に、アロンソは「今はセバスチャンと戦っている」と話し、こう続けた。
「2012年の後半に、戦いの相手はセバスチャンでもマーク(ウェバー/レッドブル)でもなく飛行機だ。レッドブルは強すぎると言ったよね」
「ちょっと誤解をした人がいたみたいなんだけど、どのレースでも1位と2位をとれる可能性を秘めたクルマを相手にしているって言いたかっただけなんだよ」
「今年はそうはいかないね。セバスチャンは、最高の仕事をしているから僕よりも上位にいる」
しかし、ドライバーズランキングでベッテルに34ポイントの差をつけられてもアロンソはあきらめの姿勢は見せていない。
「50ポイントや60ポイントの差をつけられているのでなければ、あきらめたりはしないよ」
「セバスチャンは去年、44ポイント差をつけていたけれど、最後までチャンピオンは決まらなかった。誰にもチャンスがあったんだ」
可能性の話をすれば、ベッテルが赤いレーススーツを着る、すなわちフェラーリに移籍する日が来るかもしれないが、パドックではアロンソがベッテルのフェラーリ入りを歓迎するとは思えないと見る向きもある。
これに関してアロンソは、「僕たちはお互いに敬意を持っていると思うよ。チームにとっても、クルマの力を引き出しきれるし、ポイントも多く取れるからチームにとってはいいことだろうね」と話している。