先日のシンガポールGPでジャン・エリック・ベルニュ(トロ・ロッソ)に追突してレースを終えたミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)に、元チャンピオンが苦言を呈している。
伝説的F1ドライバーであるニキ・ラウダは、セーフティカー解除直後にコーナーでのブレーキングを失敗しベルニュに追突した件について、シューマッハは即座に自分のミスを認めるべきだったと考えている。このクラッシュによりベルニュをリタイアに追い込んだシューマッハには、次戦日本GP(10月7日決勝)での10グリッド降格ペナルティーが科されており、メディアからはシューマッハに対する批判の声が上がっている。
クラッシュ後にクルマから降りたシューマッハは、すぐにベルニュには謝罪したようだが、事故の原因については自身のミスを認めずにクルマの技術的な問題を疑う発言をしていた。
シューマッハのこの姿勢についてラウダは『Osterreich(エスターライヒ)』紙に、「何が気にさわるって、ミハエルが最初から自分のミスを認めなかったことだ」と話している。
クラッシュの原因がクルマではなくシューマッハのミスだったことは明らかだと言うラウダは、さらに、次のように続けた。
「(クルマに)なにか問題があったなら、FIA(国際自動車連盟)はシューマッハにペナルティーを下さなかったはずだ」
「誰でもミスをすることはあるのだから、ミハエルにもすぐに自分のミスを認めてほしかった」
F1の7冠王者が見せた弱さを指摘しながらも、ラウダは今回のミスがシューマッハの年齢に起因するものではないとも語っている。
「シューマッハはF1ドライバーを務めるには年をとりすぎた、今そう言っている人たちは(シューマッハがトップタイムを出した)モナコGP予選のあとはまったく逆のことを言っていたじゃないか」
「20歳のドライバーでも、あの事故を起こした可能性はある。シューマッハの年齢を理由にするのは短絡的だよ」
また、シンガポールGPでのクラッシュが、2012年末でメルセデスAMGとの契約が切れる43歳のシューマッハの将来に影響する、との見方についても、ラウダは「間違っている」との見解を示した。