2014年から、F1のエンジン規格は現在の2.4リッターV8自然吸気エンジンから1.6リッターV6ターボエンジンに変更される予定となっているが、大手自動車メーカーが運営するチーム以外にとっては、エンジンの購入費用がさらに膨らむことが予想されている。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、例えばザウバーの場合は現在フェラーリエンジンを購入するために800万ユーロ(約8億円)を、さらに、KERS(運動エネルギー回生システム)のためにもう100万ユーロ(約1億円)を支払っているという。
しかし、2014年から導入される予定の、「環境に優しい」とされるV6ターボエンジンの価格は1,800万ユーロ(約18億円)から2,300万ユーロ(約23億円)の間で設定されると見込まれており、エンジンを購入しなくてはならないチームにとってかなりのコスト増となるのは必至だ。
ここで最低価格を提示しようというのが、かつてF1で活躍したジャック・ビルヌーブのマネジャーだったことでも知られるクレイグ・ポロックだ。ポロックが新たにベンチャー企業として立ち上げたエンジンメーカー、PURE社は、かつてフェラーリなどでエンジン担当責任者として活躍したジル・シモンが設計した新エンジンとKERSのパッケージを1,400万ユーロ(約14億円)で販売するとしている。
しかし、ザウバーのモニシャ・カルテンボーン(チームCEO)に言わせれば、「それでもまだ高すぎます」とのことだ。