スポンサー不足に悩まされているF1界に、タバコマネーが戻ってきた。
■F1からタバコが消えた
かつて伝説のF1ドライバーやF1マシンには必ずと言っていいほどタバコブランドがついてきた。しかしF1界もヨーロッパを中心としたタバコ広告規制の流れは避けられず、ウィリアムズF1がウィンフィールド(Winfirld)との契約を1999年限りで終了、マクラーレンF1は2005年シーズン途中にウエスト(WEST)との契約を終了、ルノーF1は2006年限りでマイルドセブン(MILD SEVEN)との契約を終了、そしてこの度マクラーレンに復活したブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も2006年限りでホンダへチームを売却してF1から撤退していた。
これまでフェラーリにはタバコのフィリップモリス社がスポンサーを続けてきたが、F1界で最も有名なマールボロのロゴの掲出はされず、白と赤のデザインのみとなっていた。
■フェラーリに謎の新ブランド登場
しかし、2018年F1日本GPでフィリップモリス社は新しい『MISSION WINNOW(ミッション・ウィノウ)』という新ブランドを起ち上げ、フェラーリのエンジンカウル、ウイング、ノーズなどにはそのロゴが大きく表示されることとなった。
今回発表されたマクラーレンとBATのスポンサーシップは、このフェラーリとフィリップモリス社による新ブランドの広告手法を利用したものだと思われる。
■タバコマネーはF1界の名門を救うか
技術開発や全21戦もの移動などに莫大な費用がかかるF1だが、タバコマネーがF1から消えてから、それを補うだけのスポンサーマネーが足りていないと言われてきた。
実際、資金不足に悩むチームは多く、名門ウィリアムズやマクラーレンも下位チームとなり、ザウバーやフォース・インディアはF1から消えた。しかし、このタバコ広告規制の“抜け穴”とも言える手法により、タバコマネーがF1に復活すれば、名門復活への道も見えてきそうだ。
一方で、フェラーリの『MISSION WINNOW(ミッション・ウィノウ)』というロゴに関し、オーストラリア当局が調査を開始したと報じられており、開幕戦F1オーストラリアGPではこの問題も人々の関心を集めることになりそうだ。
■フェラーリ新車発表のティザー画像には、フェラーリと『MISSION WINNOW(ミッション・ウィノウ)』のロゴが並んでいる
You know the date. Our 2019 challenger is just a week away #ForzaFerrari pic.twitter.com/hUajpGasch
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) 2019年2月8日
■マクラーレンはブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)との契約を発表した
McLaren Racing announces global partnership with @BATPress, centred on accelerating BAT’s transforming agenda.
Read more— McLaren (@McLarenF1) 2019年2月11日
●【新ロゴ画像:マクラーレン】ブリティッシュ・アメリカン・タバコと契約!F1にBAT復帰