・フェルスタッペンは無線の行き違いにより中国GPで不要な減速を続け、レッドブルの混乱が浮き彫りとなった。
・マシンの競争力不足や信頼性問題も重なり、最終的に冷却トラブルでリタイアし首位と大差
・不満を強める姿勢に対し周囲は批判や警鐘もある一方、新F1に同情的な声も上がる。
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マックス・フェルスタッペンの2026年シーズン序盤の苦戦に、衝撃的な事実が明らかになった。ドイツのモータースポーツ専門誌である『Auto Motor und Sport』によれば、F1中国GPではチーム内の無線連携に行き違いがあった。
フェルスタッペンが中国GPの重要なコーナーで、本来は必要のないリフト走行(アクセルを緩めて減速する)を続け、レースのほぼ半分を走っていたことが明らかになった。
報道によると、フェルスタッペンとレースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼの間に認識のずれがあり、F1中継ではその点が特に取り上げられていなかったという。
フェルスタッペンは無線で次のように確認した。
「ターン6でリフトする必要ある?」
これに対し、チームからは次のような返答があった。
「リフトは必要ない」(アクセルを抜く必要はない)
するとフェルスタッペンは、いら立ちをにじませながらこう返した。
「レースの半分ずっとリフトしてたのに!。どうして誰も教えてくれないんだ!」
このやり取りは、現在のレッドブル・レーシングが抱える苦境の深さを物語っている。フェルスタッペンはすでに2026年の新レギュレーションに強い不満を抱いており、さらに競争力と信頼性に欠けるマシンにも苦しんでいる。
結局、中国GPでフェルスタッペンのレースは、ハイブリッド系の冷却トラブルにより早々にリタイアした。
その時点で、首位を走っていたアンドレア・キミ・アントネッリとの差はすでに47秒に広がっていた。
こうした状況の中で、フェルスタッペンが新時代のF1に対して不満を強めていることにも、周囲からさまざまな声が上がっている。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーは、フェルスタッペンに対し、かつてレッドブルの助言役を務めたヘルムート・マルコ博士のような率直に助言してくれる存在が必要かもしれないとの見方を示した。
シューマッハーはドイツの『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語っている。
「彼は今まで受けた助言にもっと耳を傾け、やるべきことに集中すべきです。『マリオカート』だと言ったり、F1より他のカテゴリーの方が楽しいと言ったりしても、プラスにはならないと思います」
さらにシューマッハーは、レッドブル・レーシングが中団グループで苦戦する今の状況において、フェルスタッペンの現在の姿勢が逆効果になりかねないと指摘した。
「今こそチームを支える時であり、不満を口にするのはやめるべきでしょう」
また、フェルスタッペンが日本GPへ向かう前に、ノルドシュライフェ(ドイツのサーキット)でNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)のテストとレースに臨む予定があり、今後もF1以外のカテゴリーへの参加を視野に入れていることについても、シューマッハーは集中力の分散を懸念し疑問を呈している。
「別カテゴリーで走りたいというのは自由ですが、今の状況ではする必要はないと思います」
元F1ドライバーで、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)会長も務めるアレクサンダー・ブルツも、フェルスタッペンの否定的な姿勢が走りに影響を及ぼす可能性があると警告した。
ブルツはオーストリアの放送局『ORF』に対し、次のように語っている。
「彼は、あらゆることに対するこの否定的な見方が自分自身に影響しないよう、気をつけなければなりません」
一方で、より同情的な見方を示す声もある。
2026年の新レギュレーションを批判してきた元F1ドライバーのフェリペ・マッサは、現在のドライバーたちが本来の感覚とは異なる走り方を強いられていると語った。
「今のF1では、ドライバーというよりエンジニアのような役割が求められています。しかし、それはドライバーの本来のあるべき姿ではありません。」
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