レッドブル・レーシング・グループの高性能部門であるレッドブル・アドバンスト・テクノロジーズは、モビリティテクノロジー企業『AVL』と提携して、次世代の超高出力密度燃料電池技術を開発している。
超高出力密度と軽量設計により、従来の燃料電池システムよりも3分の2に軽量化されることが期待されており、高性能自動車、モータースポーツ、航空業界全体で炭素排出実質ゼロへの道が開かれる。
このコラボレーションは、『AVL』の業界をリードするPEM燃料電池テクノロジーのポートフォリオと、軽量設計、構造、空気力学におけるレッドブルの優れたテクノロジーと新しい方法論を組み合わせたものだ。
このプロジェクトは、現在世界中で利用可能な燃料電池システムを超える高性能アプリケーション向けの燃料電池システムを提供することが期待されている。
共同調査では、正常に完成すると、スタックレベルで6kW/kg、燃料電池システムレベルで 2kW/kgもの重量出力密度の劇的な改善が達成できることが示されている。この技術は、世界最高の重量出力密度のPEM燃料電池システムを実現する可能性を秘めている。
達成されるソリューションは、ネットゼロカーボン技術革新における重要なマイルストーンとなり、航空宇宙、将来のモータースポーツシリーズ、その他多数の最大積載量アプリケーションなどの分野で、水素モビリティに必要な出力密度数値を実現できるようになる。
■F1の技術力を応用して世界の問題を解決へ
レッドブル・アドバンスト・テクノロジーズのテクニカルディレクター、ロブ・グレイ氏は次のように述べた。
「燃料電池の出力密度を高め、パフォーマンスを向上させるためにAVLと協力できることを嬉しく思います。これは、F1にインスピレーションを得た最先端のエンジニアリングの応用が現実世界の問題の解決にどれほど有益であるかを示しています」。
AVLパワートレイン UK Ltd. マネージング ディレクターのマティアス・ウェラーズは次のように述べた。
「このエキサイティングなパートナーシップにより、当社の専門家の知識と経験が結合され、PEM燃料電池システム技術がさらに高速に進歩し、高性能アプリケーションの要件を満たすことが可能になります」。