ホンダが2026年からのF1復帰を正式に発表した。
ホンダは5月24日(水)11時(日本時間)から本社にて「四輪モータースポーツ活動に関する記者会見」を行い、2026年からのF1復帰を正式に発表した。
記者会見冒頭、ホンダ三部敏宏社長が登壇し、「ホンダはこの度、2026年シーズンよりパワーユニットサプライヤーとして、FIA フォーミュラワン(F1)世界選手権に参加することを決定いたしました」と世界に向けて宣言した。ホンダとしては第5期F1活動となる。
新パートナーはアストンマーティンで、オーナーのローレンス・ストロールも登壇。2026年から「アストンマーティン・ホンダ」が誕生する。
■「2021年シーズン限りでのF1参戦終了」を撤回!
2020年10月2日、ホンダは「2021年シーズン限りでのF1参戦終了」を発表。理由は「2050年カーボンニュートラルの実現」のためF1で培った人材が必要だということだった。
あの衝撃の発表から3年も経たずに、ワークス活動撤退から2シーズン目でF1復帰を発表したことになる。
■F1チャンピオン2連覇中
F1参戦終了の発表後、ホンダのエンジニアたちは奮起し、最終年の2021年にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の初のワールドチャンピオンを支え、有終の美を飾った。
ホンダのF1への挑戦はこれで終わったかに見えたが、2022年はレッドブルからの要請を受けて新会社「レッドブル・パワートレインズ(RBPT)」へPUのOEM供給と運用サポートという技術支援を行うことを決断。つまりホンダ本社としてはF1を止めたが、技術側のSakuraはこれまで通りF1の仕事を続けていた。
そして2022年は、2年連続でドライバー選手権を制し、さらにチームが争うコンストラクター選手権でもチャンピオンとなり、ダブルタイトルを獲得。名実ともに世界一に輝いた。
■盟友レッドブルはフォードに奪われていた
ところが2023年2月、2年連続ドライバーズチャンピオンを獲得し相思相愛だったはずの盟友レッドブルは、2026年からフォードと組むことを発表。ホンダは勝てるパートナーを失い、今度こそF1撤退かと囁かれていた。
■重要なアメリカ市場でF1人気が急激に高まる
アメリカでF1人気に火が付いたことで2023年はアメリカで3レースも開催され、宣伝効果としても無視できない存在となり、アウディやフォードのみならずポルシェやGMもF1参入を狙っており、チーム側としてはメーカーを選べる立場になった。
アメリカ市場が収益の柱であるホンダも当然、水面下で2026年のF1復帰を探っていた。
■アストンマーティン・ホンダは相思相愛
2026年から世界一のホンダのパートナーは、アストンマーティンとなった。
アストンマーティンは、今季は第5戦F1モナコGPを前にフェラーリやメルセデスを抑えてコンストラクター選手権2位につけている。大きな野望を抱くオーナーのローレンス・ストロールは本気でチャンピオンを獲るべく、最新設備と優秀な人材への投資を加速しており、行き先の無くなった最強エンジンのホンダを獲りに行くのは当然だった。
最強レッドブル・レーシングをフォードに奪われたホンダにとっても、ベストパートナーを見つけられたことになり、相思相愛と言えるだろう。