レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、2021年のバジェットキャップ(チーム予算上限)に違反があったと認定されたことから、財務部門を大幅に強化したことを明らかにした。
■罰金と風洞時間削減ペナルティーを受けたレッドブル
レッドブルは昨年、2021年のバジェットキャップにおいて“軽微な”超過支出があったと判定されたことで700万ドル(現在のレートで約9億5400万円)の罰金とともに2023年の風洞実験時間10パーセント削減というペナルティーを科されている。
「我々はこの不愉快な経験から学んだよ」
母国オーストリアの『APA通信』にそう語った79歳のマルコは、次のように続けた。
「我々は財務部門のスタッフを大幅に増員したんだ」
「数学的かつ戦術的な駆け引きがあることを今後考慮に入れなければならないからね」
■レッドブルはペナルティーに対処できると元F1ドライバー
プレシーズンテストでは好調ぶりをアピールしたレッドブルだが、シーズンが進むにつれて、風洞実験時間の大幅な削減ペナルティーがボクシングのボディブローのようにじわじわと効いてくる可能性も否定はできないだろう。
だが、元F1ドライバーであり、現在はF1オランダGPの運営責任者を務めているヤン・ランマースは、レッドブルは今年のペナルティーにはうまく対処できるだろうと考えている。
「彼らには少し違うことをしたり、これまでとは違うことを試みたりすることも必要かもしれない。だが、もちろん、彼らのマシンすでに非常にいいよ」
「マクラーレンのようなチームがそういうペナルティーを受けていたら、もっと痛みを伴うものになっただろう。彼らは昨年に比べれば資金が大きく減ってしまっているようだからね」
母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に語ったラマースは、次のように付け加えた。
「レッドブルは非常に素晴らしいチームだし、全員が大きな野心を抱いて働いている。彼らは失敗にはどう対処すればいいのかがわかっているんだ」