レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、現時点においては天才的F1マシン設計者とも評されるエイドリアン・ニューウェイが毎日F1の仕事に携わっているわけではないと認めた。
■2022年の成功はニューウェイの功績?
レッドブルは2021年にマックス・フェルスタッペンが初のF1ドライバーズタイトルを手にし、2022年にはフェルスタッペンのタイトル2連覇に合わせて2013年以来9年ぶりにコンストラクターズタイトルの獲得も達成した。
そして、F1の歴史においてトップレベルのマシン設計者であるニューウェイがその成功に果たした功績は大きかったと考えられている。とりわけ、2022年にレッドブルが圧倒的な強さを誇ったのは、新たに導入されたグラウンドエフェクト効果を持つマシンの設計において、ニューウェイが過去の経験と知識を活かした結果だと考えられている。
■2015年以降F1への関与度合いが減っていたニューウェイ
しかし、ニューウェイが2015年以降F1の第一線から身を引き、レッドブルの研究部門である『レッドブル・アドバンスド・テクノロジー』の一員として、アメリカスカップのヨット設計や、アストンマーティンのハイパーカーであるヴァルキリーの設計などに携わってきたのはよく知られた話だ。
実際のところ、現在のニューウェイの肩書きはチーフテクニカルオフィサーであり、レッドブル・レーシングの技術最高責任者という位置づけになっている。だが、2018年からはフランス人エンジニアのピエール・ワッシュがテクニカルディレクターを務めており、事実上の技術トップの役割を担っているのも事実だ。
だが、レッドブルがエンジンパートナーにホンダを迎えた2019年以降、ニューウェイがサーキットにその姿を見せる頻度が高まっていたことから、再びF1への関与割合が上がってきているものと考えられていた。
■ニューウェイの関与は50パーセントだとホーナー
しかし、現在のニューウェイの関与度合いについて質問されたホーナーは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「ここ数年、エイドリアンはF1での日常業務からは遠ざかっているよ」
「彼は今、最先端技術とF1選手権の両方に時間を割いているんだ。我々にはこれまでで最も強力な技術スタッフが揃っていると私は思っているし、それによってエイドリアンがここを離れ、ヴァルキリーのプロジェクトを引き継ぐこともできたんだ」
「もちろん、エイドリアンとは一緒に仕事をしているよ。だが、それは毎日ではない。彼の時間の50パーセントがF1に捧げられていると私は思っている」
そう語ったホーナーは、64歳のニューウェイについて次のように付け加えた。
「彼は週に2、3日は事務所にいる。だが、彼の助けが必要なときは、技術チームはいつでも彼を呼び寄せることができるよ」