レッドブルのセルジオ・ペレスは、すでに2年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得を決めているチームメートのマックス・フェルスタッペンが今週末のF1メキシコGP(30日決勝)で自分に勝利を“プレゼント”してくれることは望んでいないという。
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■フェルスタッペンがペレスに母国での勝利をプレゼント?
F1関係者の中には、メキシコ出身ドライバーであるペレスのホームレースとなる今週末のレースで、レッドブルとフェルスタッペンがペレスに勝利させるように動く可能性もあると考えている者もいるようだ。
それは、フェルスタッペンの2年連続タイトル獲得に貢献したペレスへの恩返しであると同時に、レッドブルがドライバーズランキングでチーム史上初となる1-2フィニッシュを目指しているためだ。
現在、ペレスはフェラーリのシャルル・ルクレールと2ポイント差のランキング3番手に位置している。そして、残されているレースは今週末のメキシコGP、ブラジルGP(11月13日決勝)、最終戦アブダビGP(11月20日決勝)の3レースとなっている。
ペレスがランキング2位の座を狙うためには、メキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われる今週末のレースでルクレールを逆転するとともに、そこである程度の差をつけておきたいところだ。
■プレゼントはいらないと“防衛大臣”のペレス
しかし、32歳のペレスは、今週生まれ故郷であるメキシコ第二の都市グアダラハラで催されたレッドブル主催イベントにおいて次のように語った。
「僕は誰にも何かを与えてもらう必要はないよ」
「僕は誰からもプレゼントをもらうことなく、ずっとレースをしてきたんだ」
その一方で、ペレスが2021年も2022年もフェルスタッペンのタイトル獲得のために大きなサポートを提供してきたことは、ほとんどのファンや関係者が認めるところだろう。実際のところ、最近ではペレスに「防衛大臣」というニックネームがつけられているほどだ。
「このニックネームには笑わされるよ」
そう語ったペレスは、微笑みを浮かべながら、次のように続けた。
「それは、どこでもすごく有名になっているよね。だけど、僕は攻撃する方が好きだから、攻撃大臣の方がいいな」
「でも、守備をするのもいいことだよ」
■メキシコ人であることは幸運だとペレス
一方、最近、F1で国籍による差別を受けたことがあるとほのめかしたペレスだが、そのことを大げさに考えるつもりはないと次のように語っている。
「僕はラテンアメリカ人であることを理由にF1で差別されたことはないよ。でも、いいレースをしても、ヨーロッパ出身ドライバーほど話題になることはないんだ。だけど、悪いレースをすれば、それに関してはいろいろ言われるよ」
「でも、僕はメキシコ人であることは幸運だと思っているし、それもスポーツの一部だから、このことで文句を言いたくはないんだ」
■2022年シーズンには総じて満足できている
また、ペレスは総じて2022年シーズンには満足しているという。
「タイトルを戦っていたシーズン中盤は、少しばかり浮き沈みがあったね」
そう認めたペレスは、次のように続けた。
「車の改良に伴って、少し離されてしまったんだ」
「だけど、全般的にペースは良かったし、それなりの成績は残している」
■メキシコで勝つには“完璧”なレースが必要
フェルスタッペンからの“プレゼント”は望んでいないと主張したペレスだが、レース展開によってフェルスタッペンが自分のサポート役に回ることになっても気にするつもりはないとしている。
「これまで僕が彼のためにしてきたことを彼がしてくれると確信しているよ」
そう語ったペレスは次のように付け加えた。
「だけど、勝つためには完璧でなければならないだろうね」。