かつて2010年から4年間フェラーリに所属していたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が、今年のフェラーリは「奇妙な戦略」であまりにも多くのミスを犯していると指摘した。
■ベルギーGPでアロンソに5位をプレゼントしたフェラーリ
アロンソは、先週末にスパ・フランコルシャンで行われた2022年F1第14戦ベルギーGP決勝を6番手でフィニッシュしたものの、フェラーリがミスを犯して5秒加算ペナルティを受けたことからレース後に棚から牡丹餅的に5位に繰り上がっていた。
トータル44周で行われたベルギーGP決勝だが、終盤に5番手を走行していたフェラーリのシャルル・ルクレールが42周目にピットに入ってソフトタイヤに履き替えた。もちろん、その時点でフェルスタッペンが権利を持っていたファステストラップポイント(1ポイント)を取りにいくためだ。
だが、ルクレールはアロンソの後ろでコースに戻ることになってしまった。なんとかアロンソの前に出たルクレールだったが、フェルスタッペンのファステストタイムを更新することはできず、フェラーリの作戦は失敗に終わってしまった。
それだけではない。なんとかアロンソの前でコース復帰しようと焦ったか、ルクレールはピットレーンでスピード違反をとられてしまい、5着でフィニッシュしたもののレース後に5秒加算ペナルティが科され、最終的にはアロンソに次ぐ6位フィニッシュとなってしまったのだ。
■最大の問題はマシンの力不足だとルクレール
このミスがなければ、ルクレールは6位の8ポイントではなく、5位の10ポイントを手にすることができていたはずだが、無理に1ポイントを取りにいったことで、みすみすその2ポイントを失ってしまったことになる。
実際のところ、もしルクレールがこのレースで11ポイントを獲得することができていたとしても、フェルスタッペンとの差が98ポイントではなく95ポイントになるだけで、事実上それほど大きな違いではないと考えている者もいるようだ。
だが、今年のフェラーリはF1マシンの信頼性問題に加え、ドライバーのミスや戦略ミスによって本来手にするはずのポイントを失ってきているのは確かだ。
残りのレース数が8に減った段階でドライバーズランキング3番手に後退し、フェルスタッペンとの差がさらに開いてしまったルクレールは、今年のF1タイトル獲得が「非常に困難」になったと認めながらも、フェラーリの戦略を非難しようとはしなかった。
「この週末には僕たちに十分な速さがなかった。そして、それが何よりも大きな問題なんだ」
そう語った24歳のモナコ出身ドライバーは次のように付け加えた。
「すごく難しい状況になり始めているよ。とりわけ、レッドブルが今週末に見せたペースを考えるとね。でも、これからも頑張り続けるし、一戦一戦集中して、自分のベストを尽くしていくよ」。