アルピーヌとウィリアムズが認める「オスカー・ピアストリの“レンタル移籍”もありえる」
アルピーヌは、2023年F1シーズンに向けて、現在リザーブドライバーを務めているオスカー・ピアストリをウィリアムズに「レンタル移籍」させることを検討しているようだ。
ルノーの事実上のワークスF1チームであるアルピーヌだが、現在は40歳のフェルナンド・アロンソと25歳のエステバン・オコンのコンビで戦っている。
フランス人ドライバーのオコンとはすでに2024年までの契約を結んでいるものの、現役最年長F1ドライバーであるアロンソとの現在の契約は2022年シーズンまでとなっている。
だが、アロンソは、2023年もアルピーヌに残留することを望んでおり、夏休みの間にはその交渉がまとまるだろうと示唆している。
■来年はアロンソとピアストリの両方をF1で走らせたいとアルピーヌのCEO
そうした中、アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシは、今季の第12戦フランスGPが開催された先週末のポール・リカール・サーキットで次のように語った。
「我々は彼（アロンソ）のためのシナリオを構築しているところだ。そして、きっと尋ねられるだろうが、オスカーについてもね」
「考えているのは、彼らは2人とも価値あるドライバーであり、ぜひ来年ドライブして欲しいということだ」
■考えられるシナリオはピアストリの“レンタル移籍”
だが、アルピーヌの2つのレースシートのうち、2023年もそのひとつにオコンが座ることになるのは確実であり、アルピーヌには空きシートはひとつしかないことになる。
「我々は彼らが2人とも走るシナリオを考えているんだ」
そう続けたロッシは次のように付け加えた。
「そのシナリオは非常に妥当性があり、とても思慮深いもので、どちらのドライバーも満足するものになると想像しているよ。だが、それ以上は言えないよ」
だが、ロッシの言うアロンソとピアストリのどちらもが走ることになるシナリオとは、アロンソと2023年の契約を結ぶとともに、かつてレッドブルで活躍した元F1ドライバーのマーク・ウェバーがマネジャーを務める21歳のオーストラリア出身ドライバーであるピアストリをウィリアムズのようなチームに「レンタル移籍」させることを意味しているものだと考えられている。
■ウィリアムズのチームCEOもその可能性を示唆
実際のところ、ウィリアムズのチームCEOであるヨースト・カピートは、その可能性を否定してしない。
ポール・リカール・サーキットでピアストリについて質問されたカピートは、次のように答えた。
「我々にはさまざまな選択肢があると思っているよ」
「もし、それ（レンタル移籍）が我々にとってベストであれば、我々はそれを検討すると思う。もし、それがベストではなく、ほかにもっといい解決策があるのであれば、我々はよりよい解決策を選ぶことになるだろうね」
だが、ピアストリのレンタル移籍交渉が必ずしもうまく運ぶ保証はない。というのも、“レンタル移籍”の場合は短期間で本来の所属チームに呼び戻される可能性もあり、F1チームは通常そうしたことに対しては消極的だからだ。
実際のところ、ウィリアムズでは現在ニコラス・ラティフィとアレクサンダー・アルボンがドライバーを務めているが、アルボンもレッドブルからのレンタル移籍であり、現時点では2023年もウィリアムズに残留することをレッドブル側が認めるかどうかわからない状況だ。
うわさではなかなか結果が出せないラティフィが今季限りでシートを失う可能性が高いと言われているものの、ウィリアムズとしては、ドライバーが2人ともにレンタル移籍という形になるのは、できれば避けたいところだろう。
■ドライバーが戻ってくるのならレンタルもいい選択肢だとロッシ
ロッシも、仮にピアストリを貸し出すことになっても、将来的にはアルピーヌに戻すことが前提だと明確に主張している。
「私は、オスカーを取り戻せる場合に限って、ほかのチームに貸し出してもいいと思っている」
「我々はオスカーに大きな投資をしてきたし、彼を信じている、だからこそ、彼は我々のリザーブドライバーを務めているんだ」
そう語ったロッシは、昨年までメルセデスからウィリアムズにレンタル移籍されていたジョージ・ラッセル（メルセデス）や、現在ハースで走っているフェラーリ所属のミック・シューマッハなどと同じような位置づけであれば、ピアストリをウィリアムズにレンタルするのは悪くない話だと次のように付け加えた。
「だから、ほかの多くのドライバーたちと同じように、ほかのチームでレンタルとして始め、そこでコツを学んでから我々のところに戻ってくるというのはいいシナリオだろうね」。
