メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(CEO兼代表)が、チーム内でルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルの序列が入れ替わってなどはいないと主張した。
■ラッセルにリードを許す不調のハミルトン
今季、バルテリ・ボッタス(現アルファロメオ)の後任としてハミルトンの新たなチームメートとなった24歳のラッセルだが、ここまでのところ7度F1チャンピオンとなった実績を持つハミルトンよりもいい結果を残してきている。
こうした状況を受け、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハやジャック・ビルヌーブは、すでにメルセデス内部でドライバーの序列に変化が生じているはずだとコメントしている。
だが、ヴォルフは母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に次のように語った。
「そういうコメントはほとんど理解できないよ」
「1つや2つそういう意見を耳にしたところで、私にはただ微笑むことしかできないね」
「ジョージはいい仕事をしているが、まさにそれが彼に期待したことなんだ。だからこそ彼はメルセデスにいるんだ」
■ハミルトンに集中力の欠如はないとヴォルフ
一方、今年通算8回目のF1ドライバーズタイトルを獲得するチャンスがほぼなくなったと考えられているハミルトンだが、それによってレースに対する集中力を失っているのではないかと考えている者もいるようだ。
そして、現時点ではFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)が打ち出したレース中のアクセサリー類着用禁止ルールに抵抗することの方に意識が向いてしまっているのではないかとの声もある。
だが、これに関しても、ヴォルフは次のように語った。
「チーム内においては、私にはそんなことは全く感じられないよ」
「これは報道によって回りが騒いでいるだけだよ。ルイスとジョージはお互いにプッシュし合っているよ」
メルセデスではこれまでハミルトンが絶対的ナンバー1ドライバーだと考えられていたが、実際のところチームとしてはずっと2人のドライバーを公平に処遇し、お互いにレースをすることを認めているとしている。
しかし、仮に、現在ランキング4番手に位置しているラッセルに23ポイント差をつけられて6番手に位置しているハミルトンの差がさらに開くようなことになれば、自ずとチーム内でも優先度の違いが発生してくることになるかもしれない。