セバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)によれば、2022年F1シーズンから採用される18インチタイヤにはよい点も悪い点もあるようだ。
2022年からはこれまでずっと使用されてきた13インチホイールに代わって18インチホイールがF1に導入される。その18インチホイール用のタイヤを供給することになるF1公式タイヤサプライヤーのピレリは各チームの協力を得ながらこれまでに何度かテストを重ねてきている。
各チームは18インチホイールを装着するために現在のF1マシンを一部改造してテストに臨んでいるが、伝えられるところによればテスト用マシンを準備できないウィリアムズ以外は全てのチームが実際に18インチタイヤの感触を事前にテストする機会を得ているようだ。
2010年から2013年にかけてレッドブルで4年連続F1チャンピオンとなった実績を持つベッテルも今季のF1第10戦イギリスGPの翌週にシルバーストンで18インチスリックタイヤのテストを行っている。
ベッテルは18インチタイヤから受けた好印象について母国ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「このタイヤはオーバーヒートすることなく、より長く限界での走りをすることができるよ」
「より快適に縁石を乗り越えることができるし、低速コーナーや中速コーナーでのグリップもよくなっている。そうしたセクションでは、従来のタイヤよりも速く感じたよ」
しかし、2022年型F1マシンは最初から18インチタイヤ装着を想定して設計されるものの、13インチタイヤ用F1マシンを18インチ装着用に調整した現行マシンでは本当のタイヤパフォーマンスを評価することはできないのが本当のところだ。
シルバーストンで行われた今年のイギリスGPでは、週末を通じてタイヤの空気圧にはフロントが25PSI、リアが23PSIという下限値が設定されていた。しかし、翌週にベッテルがテストしたタイヤは前後ともに20PSI以下の空気圧だったと伝えられており、その結果かなりグリップがよくなっていたものと考えられる。
一方、ベッテルは18インチタイヤのデメリットとも言える部分についても言及している。
「大きなホイールによってフロントの視界はさらに悪くなるね。それにミラーの位置も邪魔になるんだ。ハロ(コックピット保護装置)にミラーは取り付けられていたのがベストだったよ」
また、2022年のマシンには前輪にフローデフレクターと呼ばれるカバー状の装置を装着することが義務づけられており、これによってドライバーの視界はさらに悪化することになりそうだ。
そのフローデフレクターが装着されたマシンをシミュレーターで体験したベッテルは次のように語っている。
「カバーと大きなホイールによって縁石が全く見えないんだ」
2022年用タイヤの最終テストはアルピーヌが担当し、母国フランスのマニクールで9月15日(水)、16日(木)の2日間で行われる予定となっている。このテストではコンディションがドライだった場合でもサーキットのスプリンクラーシステムを作動させることでウェットタイヤの走行テストも行われるという。