7月1日(木)にメルセデスのチーフテクニカルオフィサーに就任するジェームス・アリソンが、2021年型F1マシンの開発に関してチーム代表のトト・ヴォルフとは少しニュアンスが異なるコメントを行った。
先週末にレッドブルリンクで行われた2021年のF1第8戦シュタイアーマルクGPではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さで勝利し、F1の流れが確実に変わってきたことが明らかになった。
レース後、現F1チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、メルセデスも2021年型F1マシンをすぐに改良する必要があると次のように語っていた。
「(2021年型マシンの)アップグレードを望んでいるよ」
「でも、その計画があるとは思っていないけれどね」
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフも今週、2021年型マシンの開発は完全にストップすることを決めているとオーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙に次のように語っている。
「私はもう現在のマシンには1分たりとも開発時間を割かないつもりだとかなり率直に言ったし、5月以降その方針を貫いてきているよ」
「2014年から新たなスタートを切るために可能な限りのことをした2013年と同じようにね」
ヴォルフは、ハミルトンもその決定のことは理解していると次のように付け加えている。
「彼とは飛行機の中で2時間ほど話をしたが、我々はこの状況を同じようにとらえているよ。常に最速のマシンが勝つのではなく、最高のチームが勝つんだ」
しかし、6月いっぱいでテクニカルディレクター職を降り、7月からチーフテクニカルオフィサーという役職について現場の第一線からは一歩退いた形になると考えられているアリソンはこのほど、実際には「今後のレースで我々をより速くするために、相応のものが用意されている」と語り、「それで十分であることを願っているよ」と付け加えている。
そのコメントはヴォルフが言っていることとは矛盾するのではないかと尋ねられたアリソンは次のように答えている。
「私は矛盾しているとは思っていないし、トトが本当にはっきりとそう言ったとも思っていないよ」
「トトが指摘したのは、来年のルール変更は大きな問題であり、そのことに我々の関心の多くが向けられることになるということだよ」
「確かに、ファクトリーでは来年のパフォーマンスを高めることに主眼が置かれている」
そう語ったイギリス出身エンジニアのアリソンは次のように付け加えた。
「だからといって、それまで何もしないということではないよ」