メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフが、ルイス・ハミルトンと新たに複数年契約を結びたいと考えていることを明らかにした。
2021年のF1タイトル争いをリードしているハミルトンは、F1スペインGPが行われた先週末のバルセロナにおいて、今後行うことになるヴォルフとの契約交渉を昨年のように長引かせたくないと示唆していた。
そしてヴォルフもこのほど、今後は毎年契約交渉を行わずに済むようにしたいと思っていることを認めた。
現在のメルセデスとハミルトンの契約は2021年の単年契約となっているが、次の契約は複数年に及ぶものになるのかと質問されたヴォルフは次のように答えた。
「そう、そのはずだよ」
「毎年契約交渉をしないで済むほうがいいからね」
「1日か2日を一緒に過ごして話し合い、どの部分が難しいのかを見極めればいいんだ。それからドアに鍵をかけ、それが解決するまで外にはでないことにするのさ」
「それが我々にとって最善の方法だし、過去にはそれでうまく行っていたんだ」
現在36歳のハミルトンは、前人未到の8回目のF1ドライバーズタイトルを視野に入れている。F1関係者の中には、ハミルトンがその偉業を達成すれば、そこでF1キャリアに終止符を打つ可能性もあると考えている者もいる。
しかし、ヴォルフは次のように語り、ハミルトンはまだ現役を続けることができるはずだと主張している。
「ルイスが精神的にも肉体的にも自分自身をケアし続け、認知機能を発達させ続けられれば、彼はもっと長く続けられるよ」
最近ではハミルトンがメルセデスとの契約延長に前向きな発言をしていることもあり、少なくとも2022年にハミルトンがまたメルセデスで走る可能性は高いと考えていいだろう。
そして、ヴォルフにとっては、ハミルトンのチームメートとしてバルテリ・ボッタスをキープするのか、あるいは現在ウィリアムズから出走しているメルセデス育成ドライバーのジョージ・ラッセルをボッタスに替えて起用するのかということが2022年に向けた最大の課題となりそうだ。
しかし、ボッタスの母国フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』でコメンテイターを務めるオッシ・オイカリネンは次のように語り、メルセデスは今後もボッタスをキープすべきだと示唆している。
「勝てているチームを解散するべきだろうか、そしてその理由は?」
「もしほかのドライバーが投入された場合、そのドライバーはハミルトンとうまくやっていくことができ、そしてチームにとってよりよいパフォーマンスを発揮できるだろうか?」
「チームにとってはそれが大きな問題だよ」