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角田裕毅の2021年F1デビューが確定する条件は?

2020年11月03日(火)17:41 pm

アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、日本人ドライバーの角田裕毅(つのだゆうき)を2021年にF1デビューさせるべく準備を進めていることを認めた。

現在レッドブルとアルファタウリにエンジンを供給しているホンダの支援を受けている20歳の角田は、レッドブルの育成ドライバーとして今季はF2に挑戦。バーレーンでの最終ラウンド(2レース)を残す時点でランキング3番手に位置しており、2021年にはアルファタウリのシートを獲得する可能性が非常に高いと考えられている。

その角田は4日(水)にイタリアのイモラ・サーキットで2018年型トロロッソF1マシンを使ったテスト走行に臨むことになっている。

トストは次のように語り、今回のテストは角田のF1昇格に備えるためのものだと認めている。

「彼はイモラで初めてF1カーを運転することになるから、それに慣れる必要がある」

「我々としては彼に300キロメートルを走行させたいと思っている。そうすれば彼がバーレーンもしくはアブダビでフリー走行1回目に出走することができるだろうからね」

「全ては彼のF2での順位次第だ。もし彼が4位以内の位置をキープできれば、今彼はその位置にいるが、彼はスーパーライセンスを得ることができる」

「もし彼が5番手になってしまったら、そのときは十分なポイントを稼ぐために2回のセッション(F1フリー走行)が必要になってくる」

レッドブルとアルファタウリのドライバープログラム責任者であるヘルムート・マルコも最近では角田がアルファタウリのシートを獲得するであろうことを強く示唆している。

しかし、アルファタウリはすでにピエール・ガスリーと2021年の契約を交わしており、残されたシートは1つだけだ。

現在そのシートに座っているロシア人ドライバーのダニール・クビアトも先週末にイモラ・サーキットで行われたF1エミリア・ロマーニャGPでは4位フィニッシュして自分の存在をアピールしている。さらに、現在不振が続いているレッドブルのアレクサンダー・アルボンを来季再びアルファタウリに降格する可能性もあるとのうわさもある。

こうした状況に関し、トストは微笑みを浮かべながら「誰もいないよりも候補者が何人かいる方がいいよ」と語ると次のように続けた。

「近いうちにレッドブルが決定を下すことになると思うが、我々は急いではいないよ。シーズンが終わる前に決まればいいのだが、それは角田がF2をどういう順位で終えるかにかかっている」

トストの発言から推測できることは、角田がナンバー1候補であるのは間違いないということだ。

つまり、角田がF2をランキング4位以内で終えることができれば、その時点でF1デビューに必要なスーパーライセンス獲得が確実となるため2021年のF1デビューが確定。

もし、バーレーンで行われるF2最終ラウンドで角田がシーズンを5位で終えれば、F1第16戦サヒールGP(12月6日決勝)と最終戦アブダビGP(12月13日決勝)のF1金曜フリー走行で角田を走らせ、スーパーライセンス獲得に必要なポイントを補充させてガスリーの来季のチームメートに抜擢。

仮に角田がF2をランキング6位以下で終えてしまえば、恐らく角田のF1デビューの夢は消え、レッドブルはアルボンとクビアトのうちいずれかを2021年にアルファタウリで走らせることになるだろう。

現在は角田がランキング3番手にいるとは言え、ランキング4番手のドライバーがわずかに2ポイント差、5番手と6番手に位置しているドライバーも7ポイント差で角田を追う形となっている。角田にとっては今月末にバーレーンで行われる最終ラウンドがまさに正念場となりそうだ。

ところで、F1関係者の中には角田がアルファタウリの有力候補となった背景にはホンダの支援を受けているという事実があるためだと考えている者もいる。

だが、トストはそのことはドライバー決定には何の関係もないことだと主張している。

「契約に関する決定については、これまでトロロッソあるいはアルファタウリにおいてスポンサーが重要視されたことは一度もなかったよ」

そう語った64歳のトストは次のように付け加えた。

「姉妹チームではあるものの、レッドブルは我々がいい結果を出すことを期待している。だからF1で成功できるだけの能力と技術を持っているドライバーであることが必要なんだ」

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