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F1は“帳簿選手権”になりそうだとレッドブル首脳

2019年06月19日(水)17:50 pm

レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、F1世界選手権が“帳簿選手権”と化してしまうリスクがあると警鐘を鳴らした。

2020年で現在のコンコルド協定が満期を迎えるため、F1では現在2021年以降に導入される運用ルールについての話し合いが行われている。

本来は6月が確定最終期限だったのだが、技術ルールや競技ルールにとどまらず、チーム予算や収益分配に関するルールに至るまでなかなか全員の合意を得るところにまでは至らず、最終期限が10月末まで延期されることが決まっている。

だが、1億7500万ドル(約189億4000万円)のバジェットキャップ(チーム予算上限値)導入に関しては事実上確定していると考えられている。

F1最高責任者のポジションにあるチェイス・キャリーは、これに関して『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。

「コストの詳細についての話し合いは1年以上に及んだよ」

「私は、我々が提案した仕組みがうまくいくはずだと考えている。我々のスポーツは複雑だから、全てが的確に行われることを確実にするためのルールが必要なんだ」

だが、歯に衣着せぬコメントを行うことで知られるマルコは、バジェットキャップ制度導入は本質的な危機を伴うものだと次のように語った。

「最悪のシナリオは、2か月後に失格が決定する可能性のある帳簿世界選手権になることだ」

つまり、各チームが本当に予算上限値を守って活動したかどうかを調査するためには一定の時間が必要となるが、そこで違反していたことが発覚すればそのチームはその時点で失格となってしまい、シーズン終了からかなり時間が経過した時点で最終順位が変わってしまうこともあるだろうというわけだ。

だが、キャリーはこうした声に対して次のように主張した。

「2020年にはテストを行う計画にしている。それによって我々全員が学習していくことになる。我々は幻想は抱いていないよ」

「私の考えは、今後コスト構造をさらに洗練されたものにしていくということだ。だが、我々には今出発点が必要なんだ」

マルコは、そのバジェットキャップ導入によって必要となるであろう大量解雇を最小限にとどめるため、自分たちはすでに組織再構築に向けた検討を開始していると次のように付け加えた。

「我々はハイパーカー(高性能スポーツカー)の開発など、ほかの活動エリアを模索しているところだ。我々はひとつの風洞を両チーム(レッドブルとトロロッソ)で共有することになるかもしれない」

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