2019年F1シーズンも最強を誇っているメルセデスだが、今週末にモントリオールで開催されるF1第7戦カナダGP(9日決勝)では苦戦を強いられるかもしれない。
メルセデスは今季ここまでの6戦全てで勝利を収めており、そのうち5戦は1-2フィニッシュを達成するという圧倒的な強さを見せている。
だが、カナダGPの舞台となるモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットは、その特性によってフェラーリが有利だろうと考えている者が多い。
フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、カナダGPに向けて次のように語った。
「トップスピード、ブレーキング効率、そしてトラクションが重要となることを考えれば、このサーキットの特性によって異なる挑戦となる」
実際のところ、今年のフェラーリF1マシンはストレートでは非常に速いものの、コーナーでタイムを失っている。だが、長いストレートがあるジル・ビルヌーブ・サーキットでは高速区間に対応するためにダウンフォースを削るセッティングにすることが定石となっており、メルセデスの強みであるコーナースピードを高めることは難しくなる。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、メルセデスのあるエンジニアが次のように語ったという。
「我々があそこでタイムを稼ぐことができるコーナーは3つしかないよ」
エンジニアたちは、フェラーリはモントリオールのストレートで合計コンマ7秒の差を生み出すことができるだろうと見積もっているようだ。
「ブレーキとトラクションに関しては、フェラーリは我々に劣っていないよ」とそのエンジニアは付け加えている。
しかし、仮にフェラーリがカナダでは優勢だとしても、その後のレースにその勢いをつなげられるとは限らない。
「現時点では我々に十分な競争力がないことは分かっている」
そう認めたビノットは次のように付け加えている。
「当面の間、我々が遭遇した問題に大きな効果を及ぼすような変更をクルマに加える予定はないんだ」
ともあれ、カナダではライバルチームたちがフェラーリをこれまで以上にマークすることになるのは間違いない。
メルセデスを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、カナダGPは自分たちにとって「大きな挑戦」になるだろうと語っている。
さらに、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも次のように語った。
「僕はカナダではフェラーリがもう少し競争力を発揮するだろうと予想しているよ。それによって僕たちにとってはちょっと困難になるだろうね」