2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、2019年に同じドイツ人ドライバーであるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がF1タイトルをとるチャンスも十分にあると考えている。
2018年シーズン前半は最強メルセデスにひけをとらないF1マシンを作り上げたフェラーリとベッテルがタイトルを獲得する可能性が高いと考えていた者も多かった。
だが、シーズンが後半に入るとベッテルのミスやチームの戦略ミスなどもあり、フェラーリが失速。結局メルセデスが5年連続でドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを独占してしまった。
■来季はもっと改善できるとベッテル
今季のF1最終戦アブダビGPを終えたベッテルは、来季に向けてもっと改善していく必要があると次のように語った。
「振り返ってみれば、あちこちで絶好調を維持できていなかった」
「まず自分自身に目を向けているし、今年よりもよくなれると思っているよ」
■フェラーリはさらに強くなれるとロズベルグ
2016年に念願のF1ドライバーズタイトルを獲得した直後にF1を引退してしまったロズベルグは、母国ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に次のように語った。
「基本的に、フェラーリは2019年も同じように続ける必要があるだけだよ」
「彼らは素晴らしいクルマを造り上げてきた。それを踏まえれば、僕は彼らが冬の間にすごく強くなって戻ってくるだろうと信じているよ」
■今季フェラーリが失速した要因は?
ロズベルグは、今年のフェラーリに唯一欠けていた要素は“細部”に関することだと考えている。
「彼らは戦略ミスをすごくたくさん犯してしまった。それに、チームの団結にも問題があった」
「奇妙な感じだったよ。だって、フェラーリはこれまでずっと率先してチームオーダーを出していたからね。だけど、ドライバーとしては、自分がフルサポートを受けられていないと感じてしまうと、それが気持ちや集中力に影響を及ぼしてしまうんだ」
「もしチームと自分の考えが違ってしまえば、そしてセバスチャンはまさにそうだったけれど、難しい状況になってしまうよ」
「それに、セルジオ・マルキオンネ(7月に死去した前フェラーリ会長)がチームにすごく強く関わっていたことを忘れてはならないよ。でも、メルセデスはニキ・ラウダがいなくてもうまくしのいだと言わざるを得ないけれどね」
■ベッテルに必要なのは自信を取り戻すこと
ロズベルグは、ベッテルが本来の自信さえ取り戻すことができれば来年はハミルトンをF1チャンピオンの座から引きずり下ろすことも十分に可能だと次のように続けた。
「僕は2019年がセバスチャンにとって最後のチャンスだとは考えていないよ。もうひとつのチャンスだということさ」
「彼は厳しい年を送ったし、多くの批判を受けた。だけど僕も2015年に全く同じ状況にあったんだ。ルイス(ハミルトン)は完璧な走りを見せ、僕はミスを犯した」
「大切なことは、自信を取り戻すということさ。そしてセバスチャンにはそれができるよ。彼は今でも最高レベルのドライバーだからね」
■不安要素のひとつはルクレールの登場
だが、2019年はベッテルにとって今年以上にやりづらいシーズンとなる可能性もある。友人でもあったキミ・ライコネンが去り、21歳の若手ドライバーであるシャルル・ルクレールを新たなチームメートに迎えるためだ。
ロズベルグもそれがベッテルにとって不安材料となるのは確かだろうと次のように付け加えている。
「シャルルはものすごい才能を持った若手のホープだ。彼はセバスチャンが態勢を整え直そうとしている段階で加わってくることになる。それがトラブルの種になる可能性はあるね」