フェラーリでは、2021年以降のF1エンジンルール案に対して「拒否権」を行使する可能性を否定していない。
10月31日(火)に、今年からF1の新オーナーとなったアメリカのリバティ・メディア主導により検討されてきた2021年以降の新F1エンジンルール案が提示された。
だが、現在F1エンジンを製造している4メーカーのうち、メルセデス、フェラーリ、そしてルノーはいずれも、その案のままでは受け入れられないとの姿勢を明らかにしたと伝えられている。
■レッドブルはメルセデスやフェラーリの姿勢を批判
これに対し、レッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は、現在のF1が抱える問題を是正するためにはエンジンルールの大幅見直しが必要であり、メルセデスとフェラーリという2強チームがそれを妨害しようとするのは間違いだと苦言を呈している。
だが、そのホーナーの意見について質問されたフェラーリのチーム代表マウリツィオ・アリバベーネは次のように答えた。
「クリスチャンの心の中には、常に我々が何らかの方法でレッドブルを妨害しているという思いがあるようだ」
■F1エンジンルールは自分たちのビジネスに関係する
アリバベーネは、フェラーリやメルセデスには実際にエンジンに関して強固な意見を表明する権利があると主張している。それは「自分たちのビジネス」に関することだからだと主張したアリバベーネは、次のように付け加えた。
「メルセデスやフェラーリがいろんなところで妨害しているというような問題じゃないんだ」
アリバベーネは、フェラーリとしては2021年以降についても現在のエンジンと同じ構造様式を維持したままで、今よりもコスト削減、パフォーマンス向上、そして音の改善などによってファンに受け入れられる要素を拡大することを目指すべきだと考えているのだと語り、次のように続けた。
「通常、質問は簡単だ。何を、どのようにして実現するのかということになる」
「もちろん、このショーを運営しているのはフェラーリやメルセデスではない。だが、彼らはエンジンを製造している者たちなんだ」
■拒否権行使をほのめかすフェラーリ
それゆえ、アリバベーネは間違っていると考えられる変化をストップするためにフェラーリが伝統的に保有している「拒否権」を行使する可能性も否定しないと次のように続けた。
「ある時点で、我々が拒否権の行使権利を使う正当な理由があると思われたときにはそうすることになる」
「だが、真剣な人たち、明確な考えを抱いている人たち、自分たちが何について語っているのかを理解している人たちがいる限り、拒否権など使う必要はないと思っているよ」