2015年に死去したジュール・ビアンキの父親が、事故の責任を問う訴訟を起こしたことへの批判に反論した。
ビアンキは、2014年のF1日本GP決勝で雨の中コースアウトし、ランオフエリアで作業中だった重機に激突。こん睡状態に陥り、そのまま目覚めることなく昨年この世を去った。
父親のフィリップ・ビアンキは、死亡事故は重大なミスによって引き起こされたと訴え、F1統括団体のFIA(国際自動車連盟)とF1最高責任者バーニー・エクレストンに対して提訴した。
■親なら誰でも同じことをするはず
フィリップはフランスのウェブサイト『Minute-Auto』のインタビューで次のように語っている。
「繰り返すが、明らかにミスがあったんだ」
「ジュールの事故は、仕事に付随するリスクとは無関係のものだった」
「これまでに見たすべての事故には、最も恐ろしい事故にすら、常にリプレイが存在した。しかし、この件に関しては、実際に何が起きたのかを示すFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の映像がない」
「F1で享受している特権を守りたくて私を攻撃する人々もいるが、私は惑わされない。けれども、“確かにミスはあった。だが、もう戻れない”と言うなら、私にとっては一歩前進だ」
「私が弁護士を雇ったのは、真実を知らしめ、責任者にミスの代償を払わせるためだ。親なら誰でも、たとえ私たちを批判している人たちでも、自分の子どもにこうしたことが起きたら同じことをするはずだ」
■ほかの不運な事故とは異なる
2009年には、F2で他車のタイヤが直撃してヘンリー・サーティースが死亡した。またF1でも、他車のパーツが頭部に当たってフェリペ・マッサ(ウィリアムズ/当時フェラーリ)が大ケガを負った。
こうした事故と息子の事故はまったく異なるとフィリップは訴えている。
「ジュールがそうした事故にあったのなら、私は何も言わなかった。ジュールはそのリスクを承知していたからだ」
「しかし、ジュールの事故はまったくめちゃくちゃだったじゃないか」