11年間にわたって守られてきた記録が、今週末のF1イタリアGP(4日決勝)でついに破られるかもしれない。
今季初開催のF1ヨーロッパGP予選では、バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が378km/hの史上最高速を記録した。(予選での記録)
レース中の公式F1最高速記録は、ファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレン・メルセデス)が2005年F1イタリアGPで記録した372.6km/hというトップスピード。これが現在のF1史上最速の記録だ。
■2004年に史上最速を記録したピッツォニア「今でも覚えている」
その前年、2004年F1イタリアGPでウィリアムズ・BMWのアントニオ・ピッツォニアが当時F1史上最速の369.9km/hを記録していた。
当時は自然吸気のV10エンジンで、最高2万1000回転、1000馬力を誇った。しかし、今年のV6ターボエンジンによって、記録が破られるのではないかと考える者もいる。
ピッツォニアは、負傷欠場したラルフ・シューマッハの代役としてイタリアGPに出走して記録を打ち立てた。『Auto Bild(アウト・ビルト)』に当時を振り返って次のように語っている。
「私は、ちょうどいい時にちょうどいい場所で、いいクルマに乗っていたんだよ」
「10気筒のBMWだったから、当時の最強エンジンが私にはあった。いかに速く走れるかはすぐに分かったよ。デビッド・クルサードが乗るマクラーレンのスリップストリームに入って、自分の速さをはっきり感じた時のことを今でも覚えている」
それでも恐怖は感じなかったという。
「正直、モンツァで十分な周回を重ねれば、慣れるものなんだよ」とピッツォニアは話している。