F1公式エンジンサプライヤーであるルノーは、今後はパフォーマンスの改善に全力をあげていくことになる。
【結果】F1カナダGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
今後に関するさまざまなうわさが渦巻く中で先週末にF1カナダGP(第7戦)を迎えたルノー。だが、ルノーエンジンを搭載したクルマの中ではレッドブルのダニール・クビアトの9位が最高だった。しかも、トップからは1周遅れだった。
クビアトはレース後、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に対し、「あれ以上のことはできなかった」と語り、次のように付け加えていた。
「多くのエリアに改善が必要なのは明らかだ。パワーユニットを含めてね」
ルノーにとって、今シーズンはここまでパワーユニットの信頼性問題解決に取り組むのがやっとという状況で、とてもパフォーマンス改善にまで手が回らなかったのが現実だ。
ルノーのF1プロジェクト責任者であるシリル・アビテブールは、カナダでのレースを終えて次のように語った。
「信頼性に関しては3レース連続で全く不安はなかった」
カナダでは、トロロッソのマックス・フェルスタッペンのクルマに最新仕様のルノーエンジンが搭載されていた。フェルスタッペンはモナコで起こしたロマン・グロージャン(ロータス)との接触により5グリッド降格ペナルティーを受けることになっていたが、ここで5基目のエンジンを投入したことで、結局19番グリッドから決勝のスタートを迎えていた。
その新仕様エンジンには信頼性の問題は発生しなかった。だがフェルスタッペンは『De Telegraaf(テレグラーフ)』に対し、まだパワーはかなり劣っているとし、「オーストリア(21日決勝)もまた難しいレースになるだろうね」と付け加えている。
だが、アビテブールの見方は違うようだ。信頼性の問題をほぼ解決できたことにより、今後は「パフォーマンスのほうに意識を集中することができる」ためだ。
今季はシーズン中に一定の数の「トークン」と引き換えにパフォーマンス向上のための開発が許されることになっているが、実際のところ、ルノーはライバルメーカーたちよりも多くのトークンを残した状態となっている。
フェラーリとホンダは、すでにカナダに向けて初めてトークン使用に踏み切っていた。だが、ルノーでは今後12枚のトークンを使うことができる。
そして、今後トークンを使ってパフォーマンスを大きく改善できるかどうかが、ルノーの今後に向けても非常に大きなカギとなりそうだ。
スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』は、アビテブールが次のように語ったと報じている。
「もし競争力のあるエンジンを開発できなければ、ルノーにF1での将来はないだろう」