元F1ドライバーのジャン・アレジが、ミハエル・シューマッハの16歳となる息子ミックの「メディア露出」への懸念を表明した。
7度F1チャンピオンに輝き、現在は2013年末のスキー事故で負ったけがの治療が続けられているミハエル・シューマッハ。その息子ミックが先週末にドイツF4シリーズでデビューを飾ったが、世界中のメディアがそれを記事として取り上げている。
シーズン開幕前のテストのときから多くの報道陣が詰めかけていたことが知られているが、ミックがF4での最初の週末に初優勝を遂げたときも、そのニュースが世界を駆け巡った。
『Tuttosport(トゥットスポルト)』を始めとするイタリアのメディアは、「デビューを迎えたミックが父親の遺伝子を引き継いでいることは明確だ」と若きシューマッハJr.をほめたたえている。
一方で、かつてフェラーリで活躍したアレジと日本人女優の後藤久美子さんとの間に生まれた15歳の息子ジュリアーノも、今年からフランスF4シリーズに昇格を果たしている。
そして、父親のものと同じデザインを施したヘルメットを被ったジュリアーノは、今年すでに2度ポール・トゥ・ウィンを達成している。
だが、シューマッハの場合とは違い、アレジの息子のレース結果などがニュースとなることはほとんどない。
アレジは、次のように語った。
「嫉妬(しっと)などしていないよ。実際のところ、ミックは僕にとっても息子のようなものだからね」
「それに、現在ミハエルがああした状態だという特別な状況があることも理解している。それによってこれほどまでに注目が集まっているんだ。彼(ミハエル)は、こういう形でのメディア露出を許さなかったんじゃないかと思うよ」
そう語ったアレジだが、息子のジュリアーノをフランスF4に参戦させたのは正解だったと考えているという。アレジはその理由を次のように説明した。
「そこにはチームなどはなくて、20台すべてがフランスの育成機関によって運営されているんだ。卒業生にはブルデー(セバスチャン・ブルデー/現インディカー)、グロージャン(ロマン・グロージャン/現ロータス)、それにベルニュ(ジャン-エリック・ベルニュ/現フェラーリ開発ドライバー/フォーミュラE)などがいるよ」
「つまり、そこでは言い訳などできないんだ。チームではなく、ドライバーによって違いが出るんだからね」
最後には息子の自慢を付け加えるのも忘れないアレジだった。