大方の予想に反し、前戦F1マレーシアGPでは圧倒的な強さを誇ると考えられていたメルセデスAMGの2台が、フェラーリ移籍2戦目のセバスチャン・ベッテルに優勝をさらわれるという結果に終わった。
レース後、メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、チームとして戦略面でミスを犯していたと認めていた。それは、自分たちの2人のドライバーを公平な戦略で走らせることに意識を集中し過ぎたことにより、フェラーリのような外部のライバルたちにそのすきを狙われることになってしまったという意味だ。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコも、そうした問題についてはよく理解できると『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「長期間にわたって支配し続けていると、戦略的な部分でほかのチームの存在を忘れてしまうものなんだ」
「メルセデスAMGもこれについてはどうすべきか学ぶべきだね」
トト・ヴォルフも、マレーシアGP後に、今後メルセデスAMGとしては戦略面においてもこれまでのやり方を再考すべきだと語っていた。
だが、これはメルセデスAMGでも今後チームオーダーを発令するということを意味するのだろうか?
もしそうであれば、ナンバー1ドライバーは、昨年のF1チャンピオンであり、今季も現時点でポイントリーダーの位置にあるルイス・ハミルトンだということになる可能性が高いだろう。
だが、ヴォルフは、「我々のところでは、両方のドライバーにF1タイトルを獲得するために同じチャンスが与えられる」と主張し、次のように付け加えた。
「我々はただ、今後サーキットで何が起ころうと、それにうまく対応できるようにしなくてはならないということだ」