2015年F1第2戦マレーシアGPに先立って、元ザウバーのエイドリアン・スーティルと契約したウィリアムズ。同チームの控え兼開発ドライバー、スージー・ヴォルフは、こうしたチームの動きに驚き、失望感をおぼえている。
開幕戦オーストラリアGPで腰を痛めたバルテリ・ボッタスがマレーシアで万が一の時に備えて控えのお呼びがかかるのは、自分だと思っていた。
ところが、メルボルンが終わって早々にスタンバイをかけられたのは、エンジンパートナーのメルセデスAMGでリザーブを務める若手DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)ドライバーのパスカル・ヴェアラインだった。
さらにセパンに来てみれば、電光石火の速さで契約とボッタス車を使ったシート合わせを終えたスーティルが、チームシャツを着てパドックの門をくぐるではないか。
チームオーナーのフランク・ウィリアムズは、次のように話す。「去年までバリバリの現役だった彼(スーティル)は、最新仕様のマシンについて豊富な知識に恵まれている」
「緊急の際は、彼に安心してFW37を任せられるだろう。2015年の戦いに役立ってくれるはずだ」
ところがヴォルフにとってスーティル起用は、驚きでしかない。
ヴォルフは全19戦にチームと帯同し、来たるスペインGPとイギリスGPでは金曜フリー走行にも参加する。さらにバルセロナとレッドブル・リンクで一度ずつ行われるシーズン中のテストでもマシンに乗る。
しかも彼女は、2015年型車の経験もある。つい先月バルセロナで行われたF1冬季合同テストで初日にFW37をドライブしたのだ。
スーティル起用のニュースについてヴォルフはドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』に、次のように打ち明ける。「むろんガッカリしているわ。私たちに声がかからなかったのは、驚きでしかないもの」
「もちろんチームの決定は尊重します」「もっとレース経験が豊かなドライバーが欲しかったのでしょうね。それでスーティルを選んだのよ」