過去4シーズンにわたって、F1タイトル獲得というスポットライトを浴びているのはセバスチャン・ベッテル(レッドブル)の名前だが、F1関係者の多くは、レッドブルのマシンを設計したエイドリアン・ニューイこそ真の王者だったのだと考えている。
だが、ニューイは、ベッテルが2010年にチームメートであるマーク・ウェバーとの大接戦の末に初タイトルを獲得して以来、F1における真のトップドライバーとして成長しているとして、『Guardian(ガーディアン)』へ次のように語った。
「彼のドライビングは非常に才能豊かだ。あえて言えば、2009年の時点ではまだ多少荒削りなところがあったものの、今では大きく成長したよ」
「2009年や2010年にベッテルは、まずい判断による動きをするから事故を起こすんだという批判をされることがときどきあった」
「ひょっとしたら、ベッテルには追い抜きができないという批判もあったかもしれない。ポールポジションからスタートして先頭でレースをコントロールすることができなければ、恐らく、彼はそんなによくないんじゃないかと感じていた人もいただろうと思う」
「こうした批判はもうできないよ。彼に致命的な弱点を見いだそうとしても難しいからね」
F1タイトル獲得数でベッテルに並ばれたアラン・プロストもこうした見方に賛成のようだ。プロストは、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に、「彼(ベッテル)はもうバカげた失敗は犯さないよ」と語った。
ベッテルが4回目のF1タイトルを獲得し、その上にはファン・マヌエル・ファンジオ(5回)、ミハエル・シューマッハ(7回)の2人だけとなった今、最近見られていたブーイングも影をひそめ、ベッテルは新たなレベルの尊敬を集めるようになっている。
フェラーリでテストドライバーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサは、『Marca(マルカ)』へ次のように語った。
「ベッテルは素晴らしい仕事をしてきている。彼は、アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)、キミ(ライコネン/ロータス)、そしてハミルトン(ルイス・ハミルトン/メルセデスAMG)とともに、傑出したドライバーだ」
「彼の成功にケチを付けることなど不可能だよ」