フェラーリのF1マシンから今季限りで『Mission Winnow(ミッション・ウィノウ)』のロゴが消えることが確実となった。
最近、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が2022年の暫定F1エントリーリストを発表したが、そこに掲載されているフェラーリのエントリー名称はこれまでの「スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ」ではなく、単に「スクーデリア・フェラーリ」となっている。
『ミッション・ウィノウ』とは長年にわたってフェラーリのメインスポンサーを務めてきたタバコ会社『フィリップ・モリス社』が進めているプロジェクト名称だ。
F1では2006年からタバコの広告宣伝を行うことが禁止されており、直接的なタバコの銘柄名などではないものの、フェラーリが2018年に初めて『ミッション・ウィノウ』のロゴをマシンに掲示したときには、事実上タバコの広告を復活させたものだとの批判も行われていた。
こうしたこともあり、フェラーリでは特にタバコ広告を法律で厳しく禁止している国ではそのロゴを使わないようにしてきたが、2020年はシーズンを通じて『ミッション・ウィノウ』というロゴがマシンに描かれることはなかった。だが、今年のフェラーリF1マシンには多くのレースで再び『ミッション・ウィノウ』のロゴが飾られていた。
しかし、2022年のF1エントリーリストではフェラーリのエントリー名から『ミッション・ウィノウ』が消えたことで、『フィリップ・モリス社』とのスポンサー契約が終了するのではないかと考えられている。
これに関して、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、フェラーリで最も長くスポンサーを務めてきた『フィリップ・モリス社』と今後は別の形でパートナーシップを維持するための話し合いを続けていることを明らかにした。
「今、話し合っているところだよ」
「彼らは我々のタイトルスポンサーを務めてきたが、来年の選手権ではもうスクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウとは呼ばれず、スクーデリア・フェラーリだけとなる」
「それが非常にわかりやすい答えだと思う」
そう語り、2022年には『フィリップ・モリス社』がタイトルスポンサーではなくなることを認めたビノットは次のように続けた。
「しかし、それでも、彼らと協力しあい、彼らをパートナーとして維持することが可能となるチャンスもたくさんあると思っている」
「現時点ではさまざまな選択肢が検討されており、それに関してまだ話し合っているところだ。そして、今後も彼らが強力なパートナーとして残ってくれることを望んでいるが、それがはっきりするにはまだもうしばらく時間がかかるだろう」
フェラーリは21日(火)に、スペインの銀行『サンタンデール』がチームの“プレミアムパートナー”として復活することを発表している。スペイン出身ドライバーであるフェルナンド・アロンソの加入と同時に2010年からフェラーリのスポンサーを務めていたサンタンデールは、アロンソがマクラーレン・ホンダへ移籍した後も2017年までフェラーリのスポンサーを務めていた。