F1第8戦シュタイアーマルクGP(レッドブル・リンク)決勝レースで、レッドブル・ホンダはホームコースでの優勝、4連勝、レッドブル・ホンダとして10勝目を果たした。
その表彰台に上がったのは、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めているヘルムート・マルコ博士だった。
オーストリア出身のヘルムート・マルコは、元F1ドライバー。ちょうど50年前の1971年、当時はエステルライヒリンク(現在のレッドブル・リンク)で開催されたF1オーストリアGPで、BRMからF1デビューを果たした。後にF1チャンピオンとなる同郷のニキ・ラウダと同じ日のF1デビューだった。
ヘルムート・マルコはデビューレースを11位、ニキ・ラウダは21位でフィニッシュしている。
F1ドライバーとしてのヘルムート・マルコは、2シーズンで計10レースに出場、最高位は1972年F1モナコGPの8位だったが、当時は6位までしかポイントが与えられていなかったため、生涯1ポイントも獲れずにF1を去ることになった。
法学博士号を取得し弁護士資格を持っていたマルコは引退後、母国でホテルをオープン。その後、ゲルハルト・ベルガー等のマネージャーやF3000のレーシングチーム運営を経て、レッドブル・ジュニアチームの責任者に就任、2005年からレッドブル・レーシングのモータースポーツアドバイザーとなっている。
■ご機嫌だったヘルムート・マルコ博士
F1シュタイアーマルクGP決勝レース後の囲み会見で、ホンダF1の山本雅史(ホンダF1マネージングディレクター)は、今週末のヘルムート・マルコ博士の様子を次のように語っている。
「今週末、マルコさんはすごく機嫌が良かったんです。レッドブルがホームコースで初ポールポジションを獲得したこともあったし、あとで『50年前にここでF1デビューしたんだよ』と聞きました」
「詳しくは聞いてませんが、クリスチャン(ホーナー代表)の計らいで表彰台に上がったんだと思います。レッドブルの他の首脳陣も『マルコさんがあんなに笑顔でいるのは久々に見た』とわざわざ言ってくるくらいマルコさんは喜んでいて、非常に良い光景でした」
クリスチャン・ホーナー代表はレース後のコメントで「シャシーやパワーユニットの面での努力が実を結び、チームとドライバーの間に素晴らしいハーモニーが生まれているよ」と述べており、レッドブル・ホンダ内には非常に良い雰囲気作りが出来ていることがわかる。
そんな雰囲気の中、ヘルムート・マルコ博士はF1デビューから50年後、遂にF1デビューの地、母国の表彰台の頂点に立った。